業務日誌|難付着サイディング「?」
サイディング外壁のお宅様。初めての塗装工事ですが、築15年を過ぎてもチョーキング(壁の塗料が風化して粉を吹く現象)が出てませんでした。
高規格のサイディング外壁に採用される「難付着サイディング」だと思うのですが、なぜか一部に白濁したローラー跡もあって剥がれも点在している状態。
今回はこの一見おかしな状態の見定めから、実際の塗装工程までを振り返ってみました。
難付着サイディングとは?
「難付着サイディング」は表面処理が施されたサイディングの事で、主に無機、親水性、光触媒、フッ素があります。
サイディング外壁の中でも高級なグレードとして設定・販売されており「汚れが付きにくい」との触れ込みなのですが、その結果「塗り替えるときの塗料も密着しにくくなる」という皮肉な結果になっています。
難付着サイディングを疑う要因として下記の3つの条件があります。
1.2000年以降に建てられた物件であること。
2.新築の際に、高級グレードの外壁材を選んだ覚えがある。
3.新築から10年以上が経っても塗膜の白亜化(チョーキング)が全く起きていない。
今回は施主様に「良い方の外壁を選んだ」という記憶があったので、難付着サイディングであることが確定しました。
「白濁」の原因
白濁部においては、施主様のお話では「長持ちしますよ」との名目で新築時にクリヤを塗ったとの事なので、この壁材は難付着サイディングではありません。
白濁部では強めにこすっても汚れや塗装が手に付かないので、無機系のクリヤだと思われます。無機系なので他所と同じく「難付着」の壁といえますし、白濁したのは現場塗装したクリヤの内側に、壁内部の水分が出て来たのが原因と思われます。
施工方針と、まとめ
白濁部分はワイヤブラシでクリヤ層の浮きをできる限り取り除き、壁全体は難付着サイディングに対応したシーラーで密着処理しました。
これで仕上げ塗料に弱溶剤シリコン塗料を使うことができます。
難付着サイディングといった新しいものは、業者が知識として把握できてないと大変な間違いを引き起こします。
施主様にはご自宅にどんな材料が使われているか(完成図書に記載があります)を把握しておき、それを業者が指摘できるかで業者を選んでみるのもひとつの手です。
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