外壁塗装|冬の段取り
いよいよ師走。あっというまに令和5年も終わりです。動き続けてるので身体が冷えにくい「外仕事」をしていると冬支度は遅れがちでしたが「サスガにそろそろ」といった感じです。
ところで、この季節の現場では特有の現象が起きており、それに伴って山本塗装では季節に合わせた段取りを組むことで作業効率を上げています。今回は、毎年冬の時期に山本塗装が気をつけている事をお話します。
夜露と朝露
表面温度の下がった物体の表面に張り付く水滴が露(つゆ)です。例えば屋根や庇など、上を向いたところへの塗装では塗料が硬化する前に夜露が降りると、表面の「ツヤ」が消える状態異常が起きるのです。
仕上げの塗装でコレを起こすと大変なので、15時から降りはじめる夜露に備え、硬化に必要なその2時間前。13時に作業を完了させます。
さらに朝露も塗装表面を濡らすので朝の2時間ほどは塗装作業が出来ません。よって屋根などの夜露の降りる箇所では、1日の作業時間は10時から13時までの約「3時間」となります。
日照時間
冬場の太陽光は横から照りつけるため、のんびり沈んでくれずに急に真っ暗に(体感として)なります。1年で最も日照時間の短い冬至あたりでは4時30分で作業終了です。
作業員は個別にライトを装備してはいますが、そもそも夜露があるので塗装作業自体が出来なくなります。出来るのは塗装作業以外(マスキングや清掃、片付けなど)です。ちなみに、風などの原因で露が降りない幸運な日もあります。
気温
天気予報で最高気温が5℃を下回る日は、塗料の硬化に適した温度を外れるために塗装作業は中止せざるを得ません。とはいえ横須賀市を含む関東南部ではそんな低温下になるのは極めてまれです。
また、気温が低くなって逆に良い事もあります。たとえば夏場の屋根では錆止めを塗り重ねられる期間(瑕疵時間)は3日程なのに対し、冬場では1週間ほどに延びます。鋼板製屋根が大きいお宅様などでは、作業工程が整理しやすく効率アップに繋がります。
まとめ
一般の方には気がつきにくい工程管理のお話をさせて頂きましたが、塗装店である弊社はこのように「自然と向き合いながら塗装作業を円滑に進めている」とご理解頂ければ大変に嬉しいです。
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