外壁が膨れるのはなぜ?
「塗装した外壁がなぜか膨れてしまう」事例が過去にありましたが、技術革新によっていまは対策も取れる様になってきました。
そこで今回は「壁が膨れる」原因と、その対策を備忘録もふくめて書いておこうかと思います。
○壁が膨れる原因。
年数を経た外壁は水分を含んでいます。「外部から侵入」「内部から侵入」と個々の原因は様々ですが、一括りにするならば「経年劣化」です。
例えばサイディングは、整えられた環境で塗られた優れた塗膜によって防水性を保っていますが、太陽の紫外線や風雨などの自然環境の浸食によって劣化していきます。
塗装より内部は防水性はゼロです。モルタル外壁やジョリパッド等の高意匠外壁も、現場で施工されていますが塗装で防水性が保たれているのは同様です。
経年によって浸透と蒸発を繰り返していると壁の内部に水分の通り道が出来ます。壁の塗装が劣化してるうちは水分が通るのに支障がないですが
新しい塗膜で覆われると水分は行き場を失って壁内部に留まります。そんな中、太陽光で外壁が暖められると、内部のわずかな水分は水蒸気になって約1700倍に膨張。
まだ新しく弾性力をもった塗料はそれに追従して膨れてしまうのです。
○外壁塗装の膨れに「透湿性」
壁を膨れから守るには、定期的な塗装で水分を侵入させない事も大事ですが、内部から水分を逃がしてやるための「機能」が必要です。
それが「透湿性」。水分を防ぎかつ水蒸気を通す機能です。今は多種多様な製品が発売されてますので、モルタルにもジョリパッドにもサイディングにも膨れへの対策が可能です。
○透湿性を重視する塗料の選択例
□仕上げ塗料
・微細なヒビにはロック透湿コート
□下地処理
・カチオン系シーラー全般
・アンダーサーフDS(モルタル・ジョリパッドに)
◯最後に
調べてみたところ、カタログ上では窯業サイディング外壁用には透湿性に適した微弾性フィラーが存在しませんでした(令和6年2月時点)。
この現状には「水分を含んでしまう程劣化したサイディング外壁は交換すべき」というメーカーからのメッセージが読み取れる気がします。
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