塗装店が評価する「遮熱塗料」(令和6加筆)
屋根の塗装に「遮熱塗装」を選択されるお客様が増えてきました。もう遮熱塗料はいわゆる「変わり種」ではなくレギュラー商品に「昇格した」と考えても差し支えないと思います。
今回は累計1700件の住宅を塗装してきた弊社が、「遮熱塗料」についてお話ししたいと思います。
遮熱塗料とは
「部屋の温度はどのくらい下がるの?」
遮熱塗装と聞いて、皆さまがいちばん気になるのはコレだと思います。最初に答えを言ってしまうと「2,3℃ほど」です。
遮熱塗料(高日射反射率塗料)の主な目的は、屋根の劣化をより抑える効果ですが、夏の室内への熱負荷を下げるオマケ的効果もあります。
細かい話をしますと、屋根の表面温度は、夏のいちばん暑い時で60℃~80℃まで上昇します。遮熱塗料はそれを20℃ほど下げてくれます。
「室内への熱負荷を下げる」オマケ効果についてですが、遮熱効果で20℃下がった屋根表面から、熱負荷が室内に到達するまでに、様々な遮蔽物を通ります。
屋根材→断熱材→屋根裏→天井材と障害物を通過する度に熱負荷は半減し続け、室内は2、3℃(夏季ピーク時)の負荷軽減になると思われます。
遮熱塗料の種類
遮熱塗料の種類も豊富になりました。大きく分けると水性と溶剤系の2種類あり、その各々にウレタン・シリコン・セラミック・フッ素とあるので迷ってしまいます。
決まった年数で塗り替える管理が出来れば水性でも全く問題はありませんが、水性は劣化すると膨れやすくなるので、はじめは溶剤系にしておくと簡単です。
遮熱塗料の歴史
遮熱塗料は航空機やロケット技術の応用ですが、一般建築での使用に耐える製品に仕上げるのはメーカーも相当な苦労があったと思います。
平成13年の発売当時には弱溶剤ウレタンが採用されていました。当時は塗料の「色かぶり」が悪かったせいで、下地処理材も朱色もしくは透明でした。
そして発売から20年近く経った現在では、「白色」の下地処理材を使うことで熱反射をよりうながせる進化を遂げています。
外壁に遮熱塗料は必要?
塗料は白に近ければ近いほど、遮熱塗料と同じように熱を反射します。外壁に濃い色を採用すると、西日の影響も相まって壁や室内が暑くなることがあります。
そんなとき外壁に遮熱塗料を採用すれば、室温が抑えられて快適に過ごすことが出来ます。
まとめ
家の暑さは家の形状や窓の大きさ、日射の条件などで大きく変わってきます。それは特に現代の密閉度の高い住宅では顕著です。遮熱塗料は快適に暮らす為の一助になります。
屋根材を長持ちさせる利点も踏まえれば長い間にはとても経済的な塗料だと思います。
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