「欠陥」の屋根材。
コロニアル、カラーベスト等の商品名で広く知られる「化粧スレート」の屋根ですが、2000年初頭、各屋根材メーカーにて「欠陥品」となる商品の発売が多発しました。
これらが現在リフォームの時期となって点検により見つかり、屋根の大変な異変に驚かれる方も多く見られます。今回はメーカーにとっては不本意ながらも「欠陥商品」の烙印を押されてしまった。そんな屋根材たちをご紹介します。
発端は「アスベスト規制」
建材「アスベスト」は鉱物由来の繊維です。建材に混ぜるととても丈夫になるので屋根材に壁材・保温材と重宝されていました。
ところが1995年。「吸引すると肺がん等を発症する可能性がある」との事で法改正が行われ、これに伴って屋根材は代替品への移行が始まりました。屋根材に欠陥商品が多発したのはこの頃です。
実例の紹介
代表的な実例をご紹介します。
ニチハ パミール(1996~2008年製造)主な症状は、ミルフィーユ状の肌別れと付属の釘のサビによる圧迫からの自壊です。
クボタ(現ケイミュー)アーバニーグラッサ(2001~2005年製造)主な症状はタイル状の屋根材のひび割れと落下です。
クボタ(現ケイミュー)コロニアルNEO(2001~2003年製造)主な症状は方向性のない無数のヒビ割れや大きな欠けです。
見つけたときの対処法
少し前まではメーカー保証もされてましたが、今では経年を理由に保証は終了しています。対処法としては基本、葺き替えとなります。
商品別でいうと、アーバニーやコロニアルNEOは補修と塗装でなんとかなる場合もありますが、パミールの場合は表面のみならず内部で割れや自壊が起きていることが多く、防水シートへのダメージも心配です。
まれに補修が出来る場合もありますが不安に思われる方も多いのでやはり葺き替えを選択される方が多いです。
販売時期がズレてても
販売年から外れていても要注意です。屋根業者にはストックが残されており、その後も使われている場合が有るようです。実際に一部に使われているところを見ました。
「日当たりの悪そうな箇所に部分的に」「屋根の半分だけ」といった感じです。いちど屋根の商品名を確認しておきましょう。
まとめ
アスベスト「フリー」が義務化されてから20年以上が経過し、上記のような屋根材に出くわすことも無くなりました。屋根屋さんからも、屋根材のトラブルを聞かなくなってしばらく経ちます。
以前ほどの丈夫さに匹敵するレベルまで品質改善がなされたと思って間違いありません。建材は何でもそうですが、リリースから10年ほど経ってるものを採用しましょう。「新製品」は危ないです。
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