「陶板外壁」と「タイル張り」

横須賀市 山本 塗装 外壁 屋根 陶板 タイル

塗装が必要ないとされる「陶板外壁」が一般住宅に採用されてからしばらく経ちます。陶板が持つ重厚感に溢れた意匠は他の外壁材では真似の出来ないものです。

ところで同じように陶磁器を使った外壁に「タイル張り」の外壁があるのですが、前者と後者ではメンテナンス方法が大きく違います。

そこで今回はこの「陶板外壁」と「タイル張り」の違いとメンテナンス方法について、創業51年を迎える塗装店の弊社「山本塗装」の視点でお話ししたいと思います。

「陶板外壁」とは。

陶板外壁(積水ハウス「ベルバーン」)

以下積水ハウス「ベルバーン」Webサイトより抜粋ー

「陶版外壁ベルバーン」は、⾃然素材から⽣まれる「焼き物」でありながら、工業製品として⾼い精度を両立。

強度や耐久性など安定した品質管理がなされています。釉薬は⾼温で焼き締めることでガラス質の安定した組成となり、表面硬度も釘より硬く、強度も強くなります。

塗装とは異なり、夏の暑い⽇ざしや多雨多湿など厳しい天候にも変⾊や褪⾊が少なく、優れたメンテナンス性を発揮。その味わいは年月を経るほどに深まり、邸宅ならではの趣ある表情を描き出します。

※シャーウッドの外壁に使用しているシーリング材は、耐久性に優れた30年耐久です。ー

陶板外壁の縦の目地はコーキングを使用してるとのこと。一部のサイディング外壁ほど目地の数は多くなさそうですが、30年耐久のコーキングというのが「逆に劣化を見逃してしまいそう」で心配です。

外壁材は構造用合板(9mm厚)に防水シートごと金具で固定されているとの事ですが、コーキング目地にスキマが空いて雨水の侵入が続くと内部の合板が湿っていきますし、

木材への浸潤は腐食とシロアリを呼びます。コーキング目地は立地によって劣化が早まる事もあるので、設置10年を過ぎたら半年に一度くらいは見て回ると良いかと思います。

タイル張り外壁とは

壁材すべてが焼き物で出来た陶板外壁とは違い、タイルは基材に接着もしくはビスで固定されています。基材はモルタルやサイディングといった従来の壁材です。

・モルタル基材

モルタル基材へのタイル張り外壁

モルタル外壁は伸縮や地盤などの影響により「ヒビ割れやすい」材料なので、タイルにもヒビが入ることがあります。

また目地がモルタルの場合、目地の経年劣化が起きて落下の恐れもあります。定期的な打突点検や「撥水処理と高圧洗浄」などの劣化を抑えるメンテナンスが重要です。

・窯業サイディング基材

サイディング基材へのタイル張り外壁

窯業サイディングにタイルは接着剤で固定されており、基材表面は「塗装仕上げ」です。

基材はタイル材の奥にあるので経年劣化は少なそうですが、水の侵入はサイディングを自壊させるので「撥水処理と高圧洗浄」も10年ごと。

定期的に行なう必要があります。

まとめ

どうも真のメンテナンスフリー(メンテナンスから開放される)というのは、まだ先の話の様ですね。塗装業者としては、どんな外壁でもメンテナンスが「必要」なら、

メンテナンスしやすく費用もお得な「モルタル外壁」や、メンテナンス費も底底で腐食したら同じ意匠の材料で交換がしやすい「ガルバリウム鋼板外壁」も良いかなと思います。