塗装で「雨もり」メンテナンス
屋根は雨から家を守ってくれますが、基本的に屋根は雨を「防ぐ」というよりは効率よく「流す」ものです。なので、屋根はある程度の雨は侵入してくる想定で作られています。
雨は初めに屋根材の上を流れていきますが、何らかの原因で雨が屋根材の下に侵入した場合は、セーフティーネット的な役割りの「防水シート」によって、雨は下端の雨どいまで流れて排出されます。
防水シートとは、防水紙・ルーフィングとも呼ばれる屋根材と野地板の間に位置している下地材のこと。雨漏りに至る主な原因はこの防水シートの「経年劣化」がほとんどです。
今回は、葺き替えを回避・予防出来る塗装メンテナンスをご紹介します。
塗装で出来る「雨もり予防」
防水シートの耐用年数は20年ほどですが、屋根の過酷な環境下では、この防水シートの劣化が早まってしまう要因が発生します。
塗装工事でのメンテナンスは、屋根材の保護と防水シート劣化の要因を、予防的に潰していくものといえます。代表的な要因は以下の3つです。
風向き
建物の立地によりますが、下から上に向かって風が吹くような地域では、雨が逆流して屋根の中に入り込む事があります。
雨の侵入が増えれば防水シートの劣化も早まり、雨もりに至るケースが少なくありません。塗装によるメンテナンスでは、屋根材の保護と、このような雨もりの原因になる屋根材の継ぎ目をコーキング材で埋めることて対処しています。
屋根材の反り
屋根材は太陽の紫外線により、真夏には表面が80℃を超える過酷な環境。経年により劣化が進むと屋根材に「反り」が発生します。
すると屋根材同士に大きくスキマが空いてしまい、防水シートに雨が侵入しやすくなって防水シートの劣化を早めてしまうのです。
塗装ではこの「反り」を発生させないようにメンテナンスします。
塗装工法の弊害
コロニアル(カラーベスト)屋根材の塗装では、屋根材同士の水はけを確保するため「タスペーサー」という部材をはさむ工法があります。
「タスペーサー」はごく薄い部材ですが、持ちあげて挿入するので屋根材には負荷になっている様です。屋根材の劣化が進んでしまうと、タスペーサー挿入部分からヒビ割れが発生します。
塗装メンテナンスでは割れの原因になっている箇所から「タスペーサー」を抜き、塗装したうえで塗料による詰まりを金属ヘラで除去して仕上げとします。「縁切り作業」といいます。
まとめ
たしかに塗装のほうが葺き替えより工事金額は安いのですが、塗装にしろ葺き替えにしろ、ご自宅に仮設足場を設置しての工事となります。
年数的に防水シートの寿命を迎えている場合、葺き替えのほうが安上がりになる可能性がありますので、家主さまのご判断にもよりますが、葺き替えも候補としてあたまの片隅に置いておいて下さい。
屋根の葺き替え・カバー工法等も山本塗装の協力業者様で承っていますので、お気軽にお声がけ下さいませ。
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