塗装のフカボリ-家の「カタチ」と壁の「色彩」
家を塗り替えたいお客さまが一番迷うのが
「壁の色」だと思います。
こだわりの色も有るのだけど、おかしな感じに
なったら恥ずかしい。
もし派手派手になったらご近所に申し訳ない。
外壁は一番大きい面積を占める色だけに
方向性が定まってないと迷いやすいものです。
そこで今回は、
累計1700件以上の
塗装工事を施工してきた弊社山本塗装が
色の選択肢をしぼりに絞って
最終的に「コレだ!」と決定できる
「方法論」をご説明していきたいと思います。
.〇家の「らしさ」
家の形状で「似合う色」「似合わない色」と
いうものがあります。
これが判るだけである程度色が限定できます。
.・和風建築
壁の面積は以外と少ないです。
外壁はしっくいや土の色、
または木材の色にすると「らしく」なります。
.・洋風建築
現代の欧米建築は
個性を尊重するお国柄もあってか
塗装で「好きな色」に壁を仕上げています。
基本的にどんな色でも「らしく」なるので
色を決めるには
周囲との調和をとることが大事になります。
.〇家のカタチと文化的背景
ちょっと話が脱線しますが
「らしさ」ってなんだろう?と考えたときに
大事なのが発展してきた経緯です。
.・和風建築の場合
-家は地産地消-
すぐに修理できるよう、外壁には
入手しやすい土や漆喰、木が使われました。
地産地消の素材で建てられたので、必然的に
同じ素材色のまちなみになっていきます。
.・日本の洋風建築の場合
-壁の面積が大きい-
比較的安価に建てられる日本の洋風建築は
直方体などの単純な立体になりやすいです。
1981年の建築基準法改正によって
窓の面積はさらに小さくなり、
壁の占める面積はますます増えました。
-庇(ひさし)が無い-
雨の少ない地域で発達した建築様式なので
窓のうえに「庇」のデザインがありません。
これが雨漏りの原因にもなっています。
.〇バラバラを揃える「パターン」
ご自宅の前で周囲を見回してみると
各戸が各々の配色になっていると思います。
各戸は個人の持ち物で誰かの指示に従っている
訳ではありませんから当然ですよね。
ですが
家をまちなみの「パターン」に入れ込む事で
調和が取れた色彩を作ることが出来ます。
※家の各部位の調整やマンセル表色系等に ついてはこちらで説明しています。
.・色相(色あい)で合わせる。
築年数の浅い住宅地で多くみられるパターン。
茶色なら茶系といった「色あい」で揃えます。
.・トーンで合わせる。
これも比較的新しい住宅地で見られます。
「同じ明るさ」「同じ鮮やかさ」に
見える色でのパターンです。
マンセル表色系などでの数値とは違うので
この場合の色の選定には注意が必要です。
.・類似色で合わせる。
年数を経て、周辺の塗装工事が終わると
色の範囲が離れていきます。
「数軒離れた」お宅さまの色を参考にすると
「パターン」に入れ込みやすいと思います。
.〇まとめ
家の建築方法やデザインが多種多様になった
現代では、住宅地の景観を揃えるのは
容易なことではありません。しかしながら
景観を整えていくことは、新たな住民を
呼び込むことにもつながり、
それは住宅地そのものの世代交代。
すなわち
「連続性」を作り出すことにも繋がります。
ぜひとも自治会レベルで
色彩のルールを設定して頂きたいと思います。
建物の連続性は住民皆さまの関わり合いの
連続性をも表現されるので、
防犯面でもきっと役立つはずなのです。
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