塗装のフカボリ-コーキングの打ち所
新築からの「はじめての塗り替え」も
多い弊社ですが、既存のサイディング外壁で
明らかにコーキングが必要な箇所なのに
「打設されていない」所をたまに見掛けます。
そこで今回はサイディング外壁において
コーキングを打つべきところと
その理由についてお話ししたいと思います。
目次
〇壁のパネル間(縦地)
〇壁のカド「出隅」
〇1階屋根の先と壁
〇窓枠の天端
〇番外編|釘の穴
〇まとめ
.〇壁のパネル間(縦地)
縦地(たてじ)の壁は間取りにあわせて
カットして取り付けます。切り口は水をよく
吸うので、むき出しの縦地は壁の腐食に直結
するところ。コーキングは必須です。
家によってはコーキングのすぐ横に壁を
固定する釘が打たれている場合があり
釘の固定が水でゆるんでくると、壁の反りや
落下に繋がる恐れがあるので注意が必要です。
.〇壁のカド「出隅」
外壁のカドは間取りに関係なく
細長い壁材を直角にあわせて取り付けます。
壁の切り口が3本集まるところなので
壁の腐食が始まりやすいのも、この箇所です。
専用部品を壁の上に被せている工法の場合でも
長いあいだには腐食すると思われるため
角の部品と壁材のすき間に打設が必要です。
.〇1階屋根の先と壁
これは特異な例だと思われますが
屋根の下りの先端が壁に埋まっており
壁材に水が侵入し雨もりした事がありました。
既存でコーキングも打設されておらず、弊社で
見付けたときには施主様も驚いていました。
これは建築側の雨仕舞いの悪さが原因なので
建築業者に修繕して貰うと良いでしょう。
.〇窓枠の天端
最近のデザインの住宅に多い事案ですが
窓枠から水が漏れ入ってくる事があります。
これは窓に大量の雨水が流れてくる事が原因。
窓の上に高さ50cm以上の壁があると上から
落ちてきた雨がサッシの天端に溜まりやすく
そこのコーキングが切れてしまうと
サッシの許容量を超えて水が侵入するのです。
水が入らない「厚み」と、雨を流すための
「角度」をつけて打設しておく事が必須です。
〇番外編|釘の穴
サイディング外壁をクギで固定している場合
クギ自身では壁のフタの役目を果たしておらず
外壁には釘の穴が空いている状態です。
その穴を塞いでおかないと、雨で腐食して
壁の反りや脱落の可能性が高まります。
.〇まとめ
サイディング外壁の新築は塗装業者の
目からみると、未完成の状態にも見えます。
同じ「壁」の一部であるコーキングと
壁材では耐候性が倍以上も違うのですから。
雨をうまく防げる設計をし、
壁の穴を塞ぎ、耐候性を揃えるために
コーキングごと塗装するのが
「本来の完成」ではないかと思うのです。
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