修繕することが想定されていない「家」

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サイディング製の破風板の下端すべてに樹脂製の枠がはめこまれています。下から見るぶんにはとてもキレイに施工されています。ですが足場を組んで真正面からみると印象は大分違いました。雨が降れば当然この破風板に雨粒が当たるのですがこの破風は、枠の中に雨が入り込むような構造になっています。コーキングのような充填剤を入れる隙間もありません。

以前から当ブログでお話していますが、「サイディングは水を吸うと崩れてしまう」建材です。サイディングは表面しか塗装されていないので下端に雨水が溜まればそこから腐食していきます。腐食が進行した場合、破風板のサイディングを張り替えるには雨ドイをすべて外さねばならず大工事になってしまいます。僕がこの構造をみたのは今回が二度目なので施工ミスではなく仕様なのでしょう。つまり「修繕されることを踏まえた構造ではないのです」

昨今のハウスメーカーの耐用年数は、あるところからのお話によりますと「25年」なのだそうです。そうなるように作られているのだそうです。「家」というものはただの「モノ」ではありません。人は「終の棲家」として一生に一度の買い物である家を買うのです。統計をとればたしかにそのくらいの年数でリフォームなり建替をするというようなデータがあるのでしょう。ただそれは家主が考えておこなうもので、ハウスメーカーに先導されるものではありません。施工金額により材料にランクがあるのは納得もできますが見栄えを重視して修繕できない構造にしたというのなら、これは「悪意」です。

弊社のような建築塗装業は職業がら様々なお家を見る機会があります。「大工さん」の建てた家では少なくともこのような「構造的な欠陥」は見たことがありません。修繕できるように作られています。家は直しながら末永く住まうものだと僕は思います。ハウスメーカー様にはもう少し誠実に家を建てる努力をして頂きたく思います。