アルミサッシの良し悪し。
アルミサッシ。よくご存じとは思いますが、アルミニウム合金製の窓枠のことです。一般的にはアルミ合金製の建具全般をそう呼んでいますね。弊社は塩害地域である横須賀市で塗装工事を営んでるので、様々なアルミサッシの劣化ぐあいを間近で見ています。
そこで今回は、創業51年目の山本塗装から見る「アルミサッシの善し悪し」についてフカボリしていきます。あくまで「横須賀市での感覚」なので、他の地域では違うかも知れませんが、そこはご了承ください。
〇アルマイト処理のサッシ
〇「電着塗装仕上げ」のサッシ
〇アルマイト処理の劣化
〇「電着塗装仕上げ」の劣化
〇まとめ
見た目は車のボディにも似た透明感のある仕上がり。アルミニウムは空気中の酸素と結びついて表面に薄い無色透明の酸化皮膜を作ります。その酸化皮膜を「人工的に均一に厚くした」のがアルマイト処理です。この処理のおかげで、アルミサッシに優れた耐腐食性や耐摩耗性が加わります。
見た目は塗りつぶされたマットな仕上がり。以前はアルマイト処理仕上げのサッシが主流でしたが趣向の変化によりツヤ消しの質感を求める声が増えてきました。そこで帯電したアルミサッシのアルマイト皮膜に塗装などを施して出来たのがいわゆる「電着塗装仕上げ」のサッシです。
いくら耐腐食性にすぐれたアルミサッシでも、経年や紫外線・塩害によってかならず腐食します。経験上、アルマイト処理のサッシでは築30年を超えるあたりからでしょうか。症状としては透明な膜が白濁してきます。膜自体も少しづつ擦れて取れてきますが、それほど目立つモノではありません。
電着塗装仕上げのサッシの場合、アルマイトより少し早く劣化が始まる印象です。色が退色して薄くなっていく感じ。時には星状に白く浮くところも。アルミサッシには強度や耐食性などの理由から、他の金属を加えた「合金」を使うのですが、その「混ぜ物」が変質したようにも見えます。
個人的には「アルマイト処理のサッシの方が耐候性は多少なりとも良い」ように感じます。ただ双方ともに云えることですが、劣化は年2回程度の拭き掃除や洗浄を行うことで軽減できます。涼しくなったら少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。
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