壁に「青」を塗る。
最近ふと「青系」の外壁や屋根が目に留まります。弊社のカラーコーディネート(色彩設計)ではまず視野に入らない「派手な色彩」のはずなのですが、妙に堂に入って見えるので派手さは感じられません。なぜでしょうか。そこで今回は「特定の青色が派手に見えない理由」これを探っていきます。
青い家のカタチは。
よく見る青の外壁は「ラップサイディング」日本で言う「鎧張(よろいばり)」の外壁を持ち、窓にモール装飾の付く「洋風の建物」が大半という印象です。我が国では「木」や「土」の色を模した暖色系を使うのが一般的なので、青色を外壁に使うのは欧米(特にアメリカ)文化の色と思われます。
条例から見る青色
弊社のある神奈川県横須賀市には「景観条例」があります。「条例なので罰則は無い」ものの、そこに定められている色彩の基準では「青」を含む寒色系はNGに近い扱いです。
青を馴染ませる「つや消し」。
青色が堂に入った家はすべて「つや消し」でした。これは大きいと思います。マットな色調は庭木などの背景となって馴染んでおり、街並みへの違和感を感じさせません。
「濃色の壁」のデメリット
青のような「濃色」を壁に使うときに気をつけたいのが「温度」です。夏期には表面温度は50℃~80℃にもなるので、熱を吸収してしまう濃色の壁は室内の温度上昇につながります。
壁からの過度な熱の侵入を抑えるには遮熱塗料が有効なのですが、上項でお話しした「つや消し」に対応する製品が今のところ存在しません(令和4年12月現在)。
まとめ「青を使うなら」
なんだか「青はダメ」みたいな話を延々としてしまいましたが、上で述べた「洋風の佇まい」「近隣もそれに近い様式の街並み」「つや消し(3分ツヤ)」であることを条件に、
青は採用できると思います。ただそれでも数値化できない「派手さ」「地味さ」があるので、塗装するときには業者の方に相談しましょう。
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