業務日誌|吸い込む壁。剥がれる木。
寒さを感じる時期もいよいよ終りですが、いまだ防寒肌着を履いていくかどうか気持ちが揺らいで仕方ありません。皆さまもこの季節は体温を服で調節されると思いますが、
われわれ塗装職人は動いてれば身体は温まるので作業中はいつも薄着です。ただ朝晩だけは寒い中で薄着になるのでケッコウ寒いですね。
前置きはこの位として、サイディング外壁は水の浸透を表面の塗装だけで防いでいますが「放っといたらこうなった」という写真が撮れましたのでご説明できればと思います。剥がれが酷かった木部の修繕例も併せてご紹介したいと思います。
吸い込む壁
写真はサイディング外壁の地肌が見えている状態。高圧洗浄する前から兆候はありました。壁が反っていたのです。ひどいところは1cmも段差がありました。高圧洗浄するとそれに加えて表面が毛羽立ってザラザラしてくる始末。
サンドペーパーで毛羽立ちをこすったらサイディングの地肌が見えてしまいました。サイディングの地肌はセメント質なので水をよく吸ってしまいます。この吸い込みを止めないといけません。
その処理としては弱溶剤シーラーをいちど壁に浸透させてサイディング素地の吸い込みを固め、さらに表層を強靱かつ平滑にする微弾性フィラーで塗装できる下地を整えました。つまりふつう1回で終わりの下地処理を「2回」行ったのです。
剥がれる木
木が風化すると木の樹脂は抜けて、表面から繊維が剥がれてきます。木もサイディングと組成は似ていて樹脂を繊維で繋ぐことで強さを出しています。
サイディングがセメントの風化で自壊するのと同じように、樹脂も太陽の紫外線で表面から風化していきます。そうなってから塗装しても木は短い年数で剥がれてしまうので、木材は塗料で塗装すると維持がとても難しいのです。
弊社ではそういった木には鋼板を貼り付けています(正確にはガルバリウム鋼板)。鋼板を貼れば脆弱な木肌から完全に縁が切れてキレイになりますし、サビにさえ気を付けていれば維持できるので管理が簡単です。
まとめ
「交換」が後腐れがなく新品に出来る唯一の方法だと思われがちですが、家というのは基本的に直しやすい構造になっているので、一見ひどい状態のように見えても意外と直せることが多いです。
そのために我々プロは皆さまのご相談に応じる知識と準備を整えています。大ゴトにせず、直す選択肢も考えてみませんか?
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