水性錆止めとは?
水性錆止め。名前からして逆にサビを呼びそうですが、いま現在各社から販売されており一般的な製品になりました。
今回は水性錆止めの特徴と、一般的な水性塗料のデメリットから見て取れる水性錆止めの使いどころを考えてみました。
水性で錆止めとは?
水性の錆止めは、溶剤系塗料では既存の塗膜を溶かしてしまう恐れが有る時に使います。
写真の「1液水性デクロ」は溶剤系である1液変性エポキシ防錆を水性化したもので、使いやすさと防蝕性を保持したまま環境に配慮した塗料となっています。
硬化した後は、仕上げ塗りに弱溶剤系を塗ることが出来る数少ない製品のひとつです。
ここからは一般的な水性塗料のデメリットから、水性錆止めの使いどころを考えます。
水に流せない。
水性塗料は、水性「絵の具」のように下水には流せません。水に溶けるよう調整はしているものの、有機溶剤は多少なりとも含まれていますし、ゴム状に固まるので何処かで下水管詰まりの原因となりかねません。
産業廃棄物。
廃棄する時は、溶剤系と同様に産業廃棄物として業者に処分委託しています。これはどんな塗料もそうなのでデメリットとも云えないのですが、「環境に配慮している」水性塗料の処分方法としてはおかしな話です。
高温で膨らむ。
どんな塗料も弾性(被塗物の伸び縮みに追従する特性)を少なからず持っていますが、その中でも水性塗料は大きな弾性力を持っています。
そのため高温になる環境下では塗膜が膨れる事があり、屋根もしくは屋根からの照り返しのある外壁などへの使用はリスクが大きいです。
まとめ
以上をふまえると、水性錆止めの使いどころは水性錆止め塗料は高温に晒される可能性の少ない部位。例えば雨戸や戸袋などの建具まわりに限定して使うのが望ましいと考えられます。
ただ、この結論は筆者が今までの水性塗料の経験から導き出した推論なので事実とは異なる可能性もあり、JISによる検証が待たれるところです。
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