厚膜塗料の話|外壁塗装 

外壁塗装の膜は薄いのが一般的ですが、厚膜で仕上げられる塗料があります。プロは塗装する壁の質によってこれらを使い分けていますが、今回はこの厚膜塗料の機能と使い分け方をご紹介します。

厚膜塗料とは。

単層弾性塗料は問題ないヒビを表に出さない

一般の住宅において厚膜塗料とは「単層弾性塗料」を指すことが多いです。壁に外部からの防水力を与え、他製品より優れた弾性力(伸び縮み)により

素地にヒビが入っても塗膜が延びてヒビの無い外壁を維持することができます。溶剤系のシリコン並みに耐候性がありますが、じつは水性塗料です。

薄膜の塗料。

サイディング外壁には薄膜仕上げ

塗料は一般的に薄膜です。微弾性(少しだけ伸縮)を持つシリコン塗料などが代表的です。ヒビについては幅が毛髪ほどであれば下地処理(微弾性フィラー)で隠すことが出来ます。

厚膜塗料の使い方。

経年によりヒビ割れるものの、外壁自体に継ぎ目がなく内部からの水分が表出しにくい壁。厚膜を採用できるのは「モルタル外壁」です。

厚膜塗料は、新築から初めての塗り替えへの採用がおすすめです。外壁がなるべく健康なうちに塗ることで、ヒビ割れのないキレイな外壁を維持できます。

いちど厚膜を塗った次の塗り替えには薄膜塗料を塗り重ね、厚膜を保護していくと良いです。

サイディングには薄膜。

サイディングは水が内部に侵入する確率が高い

サイディング外壁はコーキングの亀裂などにより壁内部に水が侵入しやすいので、厚膜のような高い防水性と伸縮性は、かえって太陽光の蓄熱による膨れなどの異常を引き起こしてしまいます。

まとめ

モルタル外壁は一般的に良質な壁。

新築の約8割がサイディング外壁となった今、厚膜塗料を採用する機会は減りました。ですがモルタル外壁は、サイディングが18mm厚に対して20mm以上あったり、壁に継ぎ目もありません。

年数を経ても膨れや剥がれなどの状態異常を起こさない優れた外壁であると思います。山本塗装は、モルタル外壁のお宅様には早い段階での厚膜塗料の採用をオススメします。