打ち放しコンクリートを守る。 

コンクリートの打ち放し仕上げ。ここ最近は、一般住宅でも全体的もしくは部分的な意匠として採用されています。打ち放し仕上げの保護と言えば「塗装」もしくは「撥水剤」ですが、より「高耐候」かつ「打ち放しの美しさ」を取り戻す工法がさまざまに開発されています。

今回はこれらをいくつかご紹介しつつ、打ち放しの維持管理についても考えてみたいと思います。

より高耐候に|セラミクリートガード工法(エスケー化研)

webサイトにリンクします

以下カタログより抜粋-

セラミクリートガード工法は、コンクリート面に深く浸透する高浸透性吸水防止材「セラミクリートガード」を用いることで、より高い吸水防止性能と美観の維持を両立させます。

吸水防止層の上には、付着性に優れた水性アクリルシリコン樹脂プライマー、さらに超耐久性クリヤー塗料を使用することで、コンクリート打ち放し壁面に対して優れた保護性能を発揮します。-

仕様としては、撥水材+水性プライマ+補修塗り+クリヤ(着色品)の計4~5回塗り仕上げ。メーカー独自の試験によれば溶剤系シリコン程度の耐候性です。

保護力に優れますが、表面はクリア仕上げで積極的に表面を隠しません(カラークリヤ仕様あり)。

美しさを取り戻す|RCフェイクファンデ(関西ペイント)

R5/7/16現在WEBカタログが存在しません
実際の塗装サンプル(見本板)

以下カタログより抜粋-

「RCフェイクファンデ」は、デザイン塗装でコンクリートの風合いを復元するとともに、特殊機能「ラジカル制御Wガード」と「低汚染機能」が美観の維持という価値を付与します。

-水性撥水材+仕上げ2回+模様塗りの計4~5回仕上げ。つや消しの水性ラジカル塗料に、模様塗りで「打ち放し」の風合いを出す工法です。

表面は塗料で塗りつぶされるので、クリヤ特有の問題(次項で説明します)は起きにくいと思われます。

考察とまとめ

打ち放し仕上げは「無塗装」の無骨感が求められますが、ほんとうに表面処理なしではあまりに脆弱です。

壁は新築時に撥水処理されている事が多いですが、撥水材はいずれも5年程度で効果が切れるので、なるべく早い時期の塗装が必要とされます。

クリヤ仕上げは無塗装の風合いを残せますが、品質に限らず「内部からの水分や空気を隠す事ができません」。

それらの原因によって外壁には「白濁化」や「水玉状のはく離」が表出する可能性があり、その可能性は経年により高まっていきます。

今のところ弊社としては、打ち放しを維持管理する工法として「塗装で塗りつぶす工法」をおすすめしています。塗りつぶした上に模様塗りすることで、打ち放しの風合いも再現が可能です。