メンテナンス「フリー」の壁(令和6年加筆)
「メンテナンスが要らない壁はありますか?」
以前こんな質問を頂いた覚えがありますが、実際のところ「全くメンテナンスが必要ない壁」と云うのは存在しないでしょう。
ただ筆者自身、現実的な事はともかく興味はあったので、今回はその辺りの技術革新を追ってみたいと思います。
「メンテナンスフリー」の意味
調べてみると、メンテナンス「フリー」というのは「ーしなくて良い」ではなく「ーから解放される」という方が意味的にシックリきます。
各メーカーで言い方は違いますが、壁のメンテナンスが(保証期間中は)フリー。初回メンテナンスまでの期間が長い(ある程度フリー)。といった具合。
ただ、雨戸等の付帯部は壁より早くメンテナンス時期が来ますし、各々で施工していては、足場代(15万円程度)がよけいに掛かるので「もったいない」というのが塗装店としては思うところです。
「メンテフリー」壁材の特徴
一般的にメンテナンスフリーと言われる各材料の特徴を追っていきます。
タイル、レンガ
タイル・レンガ外壁では、通常は水を掛けてあげれば充分です。目地の汚れや塩分を流すだけで寿命はずいぶん違います。
レンガ・タイル自身は寿命50年と言われますがその隙間を埋める目地・下地はセメントもしくはサイディング。
壁の寒暖による膨張収縮や経年による歪みを吸収・緩和してくれる大事な部分なので、10年に一度はメンテナンスしましょう。
タイル目地には高圧洗浄後に撥水剤を2回塗りします。10年ごとの施工にしても、塗料より塗りやすく密着剤の工程が必要ないので、メンテナンスコストは低くおさまります。
トタン(ガルバリウム鋼板)
現代のトタン板の実際の名称はガルバリウム鋼板。雨戸やシャッター等と同じ亜鉛+アルミのメッキ鋼板です。
ガルバリウム鋼板は新築ではとても丈夫ですが、遅くても築20年以内で錆びはじめます。
塗装工事では手作業でのていねいな下地調整が要るので、比較的単価が高めです。
さび始める前の定期的な塗装が必要ではあるのですが、サビさえ防げれば半永久的に持たせる事が出来る、とても優秀な外壁材です。
お子様への出費に合わせる
。
12歳~22歳。お子様にまとまったお金が必要になってくるのはこの辺りでしょうか。メンテナンスを10年毎と考えると、お子様が小学生のうちに1回しっかり済ませておいて
あとはお子様が独り立ちした後。定期的にできる価格を、抑えた仕様でやっていけば良いのです。
早め早めの定期的なメンテナンスが、結果的に総額を抑えられます。
まとめ
サイディング、モルタルをはじめとしたどんな外壁でも、メンテナンスは何処かで必要になります。
ご家族の皆さまの将来設計のなかに、家のメンテナンスが必要な頻度と、金額のバランスを取り入れましょう。
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