塗装店が評価する「ガルバリウム外壁」(令和6年版)
最近の新築住宅で、「ガルバリウム鋼板」の外壁を採用されるお宅さまが増えています。一昔前の流行であったトタンの代わりに採用されるようになった金属の建材ですがかつてのサイディング外壁全盛の世からなにが求められるようになったのでしょうか。そこで今回は、外壁材としてのガルバリウム鋼板についてフカボリします。
ガルバリウムの外壁とは。
ガルバリウム鋼板(以降ガルバリウム)は平たくいえばメッキされた薄い鉄板です。以前は亜鉛メッキされたトタンが主流でしたが、古くなるとメッキの不活性層から塗料がはく離するので現在は使われなくなりました。昨今の外壁材に使われるガルバリウムは、裏側に断熱材が貼られている「金属系サイディング」である事が多いです。
ガルバリウムのメリット
・価格
ガルバリウムの価格は6000円〜14,000円程。単純な鋼板から断熱材付きの金属サイディングまで、求められる性能によって価格には大きく開きが出ています。また材料価格に加えて加工費も必要なので、単純に材料費だけでは比較しにくいです。
・「軽さ」
軽い製品ではサイディングの約1/3の重量なので、外壁を剥がさないリフォームである「カバー工法」にも採用されています。
・メンテナンス性
金属の外壁は水分が浸透しないので、なにかの都合で外壁塗装が多少遅れても塗装で新築同様に戻せます。
ガルバリウムのデメリット
・外壁塗装代が高め
なにせ金属なので、モルタルやサイディングの様に塗料が浸透しません。サンドペーパーやスコッチブライト等の手工具で均等にキズをつけ、塗料の足がかりを作ってやる作業(ケレン作業)が必要です。モルタルやサイディングと比べると塗装の価格が800円/㎡ほど上がります。
・デザイン性が低い
金属の質感はシンプルです。シックな模様の外壁に最適ですが、複雑なデザインはサイディングに軍配が上がります。
・凹みやすい
ガルバリウムは外壁材ですが薄い鉄板です。局所的な衝撃に弱く、凹みやすいです。
まとめ
ガルバリウムは軽いのでリフォーム向きな外壁材ともいえますが、金属の無機質なデザインを求める方には最適な外壁材でしょう。塗装店目線としては、塗装することで現状復帰しやすい優秀な建材だと思います。
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