外壁材の塗装コスト。

家にどんな外壁材を選んだか覚えてる方はいらっしゃいますか?色や模様の事ではありません。外壁の種類の話です。
昨今の外壁材は、種類によって外壁塗装にかかる費用が上がるものがあります。今回はその中から、代表的な2つの外壁材についてお話ししたいと思います。
難付着サイディング

「難付着サイディング」は表面処理が施された窯業サイディングの事で、コーティングの種類は主に無機、親水性、光触媒、フッ素があります。
サイディング外壁の中でも高級なグレードとして設定・販売されており「汚れが付きにくい」との触れ込みなのですが、その結果「塗り替えるときの塗料も密着しにくくなる」という皮肉な結果になっています。
また、初めての外壁塗装では、点在するクギの穴や細かなヒビを埋める必要があります。通常は「微弾性フィラー」で密着処理と平滑化が一度に出来るのですが、難付着材に直接塗れるフィラーが今のところ存在しません。
なので塗るには難付着材専用のシーラーを塗ってから。初回に限ったことではありますが、約1000円/㎡程度の価格が上昇してしまいます。※実際に施工したケースはこちら
ガルバリウム外壁

ガルバリウム鋼板(以降ガルバリウム)は平たくいえばメッキされた薄い鉄板です。
以前は亜鉛メッキされたトタンが主流でしたが、古くなるとメッキの不活性層から塗料がはく離するので現在は使われなくなりました。
昨今の外壁材に使われるガルバリウムは、裏側に断熱材が貼られている「金属系サイディング」である事が多いです。
ただ、なにせ金属なのでモルタルやサイディングの様に塗料が浸透しません。サンドペーパーやスコッチブライト等の手工具で均等にキズをつけ、塗料の足がかりを作ってやる作業(ケレン作業)が必要になるのです。
モルタルやサイディングと比べると塗装の価格が800円/㎡ほど上がります。
まとめ

今回高く付くとしたものは難付着サイディングは初回のみ。ガルバリウム鋼板はその都度としましたので、ガルバリウム鋼板のほうが一見コストが高そうに見えます。
ですが窯業サイディング外壁は管理が重要で、定期的な塗装のタイミングを逃すと内外の水分によって劣化しやすい材料です。
その点ではガルバリウム外壁は水分が浸透しないので、なにかの都合で外壁塗装が多少遅れても新築同様に戻す事がたやすいのです。
維持管理コストはサイディング。材料自体の耐候性と永年性はガルバリウムが有利と思います。
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