「無機ハイブリッド塗料」を比較する。
今現在の外壁塗装のスタンダードとしてシリコン塗料、その上級グレードとしてフッ素塗料が有りますが、フッ素塗料はシリコンの倍近くの値段がするので、弊社としては迂闊におススメ出来ません。
両者の中間グレードに位置する製品が無い現状を打破する動きとして、「無機ハイブリッド塗料」が各社ラインナップされ始めています。
ロックペイントではロックハイパーリアクターコート無機(令和6年4月)、日本ペイントでもグランセラ™️トップ2液ファイン(令和6年6月)が発売されています。
今回は似た性能を持つ両者を比較しつつ、無機ハイブリッド塗料の「良さ」を分かりやすくお伝え出来ればと思います。
無機ハイブリッド塗料とは
無機ハイブリッド塗料とは、無機顔料(セラミック)で表面を覆う特徴をもつ高性能塗料のことです。カタログ上フッ素を大きく超える性能を持つとされています。
無機顔料だけでは塗料に必要な柔軟性が得られないので、ウレタンやアクリル樹脂などの有機塗料の表面にセラミック被膜が出来あがる仕組みになっています。
価格はシリコンとフッ素の中間あたりと、性能と価格のバランスに優れた塗料です。
グランセラ™️トップ 2液ファイン
以下は日本ペイントWebサイトより引用ー
・優れた耐候性:ラジカル制御技術にセラミックハイブリッド技術を融合することで、フッ素樹脂塗料を超える高耐候性、超低汚染性を誇るハイグレードの外壁塗料です。
・美しいつや:高いレベリング性により、つやが優れています。
・超低汚染性:塗膜は親水性機能によって、建物外観に付着した汚れを洗い流し、美観を維持することが可能です。
・防藻・防かび機能:藻・かびの発生を抑制し、建物の美観と清潔な環境をまもります。
・幅広い下地適正:下塗りを変えることで幅広い素材への塗装が可能です。
・弾性仕様:弾性タイプの主材(下塗り)と組み合わせることで、外壁のひび割れに追従でき、各種弾性形塗料の塗り替えに適応できます。ー
カタログ記載の促進耐候性試験の結果において、5000時間(約16年)では95%の光沢保持率と読み取れます。
※メーカーの独自算出のため、他の製品と同列に比べる事は出来ません。
ロックハイパーリアクターコート無機
こちらの方が先行発売品ですが、特徴はグランセラ™️トップ2液ファインと似ています。カタログ記載の促進耐候性試験の結果において、5000時間(約16年)ではほぼ100%の光沢保持率と読み取れます。
※メーカーの独自算出のため、他の製品と同列に比べる事は出来ません。
無機ハイブリッド塗料の弱点
両者ともに弱溶剤塗料なので、完全なつや消しが作れません(3分ツヤまで)。
また、多くの外壁材に対応しますが、ジョリパッドのような透湿性を求められる高意匠の外壁材には推奨されていません。
まとめ
以前のウレタン塗料の良さを活かして表面被膜をシリコンからセラミックに置き換え、塗料内の劣化因子を抑制するラジカルコントロール技術により耐候性を引き上げた。というのが「無機ハイブリッド塗料」です。
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