6寸勾配。急傾斜の屋根の塗装メンテナンス。 (令和7年改訂)

急勾配(6寸勾配以上)の屋根は、雨水が流れやすくなるので屋根材の劣化を抑えられたり、また
室内においても、収納スペースを設けたり開放感を求めて天井を空間に出来るなど沢山のメリットがあります。
ただ残念ながら「塗装の金額はアップ」してしまうのです。その額は一回の工事で約9万円。今回は、その理由をお話します。
屋根にも足場が必要。

以下「建設業労働災害防止規程」より抜粋ー
会員は、こう配が31度(6/10)以上の屋根の上において作業を行う場合には、屋根足場を設置し、
幅が20cm以上の作業床を2m以下の間隔で設けなければならない。(建設業労働災害防止規程32条)ー
ここで言っている「31度のこう配」は、坂道で表すと約60%。公園にあるような「滑り台」と同じ角度です。
これだけでも立つ事が難しいのはお解りかと思いますが、さらに作業中は両手が塞がる事も多いので、安全な作業や移動は不可能です。
なので屋根全体に足場を張りめぐらす必要があるのです。
足場代がアップ。効率がダウン。

足場は掛けた面積で価格が決まるので、背が高い足場は比例して高価になります。
金額の例を示すと、屋根足場の単価800円×屋根100㎡×税=¥88,000の増。足場全体では20万円〜30万円ほどでしょうか。
また作業にあたっては、足場自身を支えるジャッキを上げ下げし、移動にも時間が掛かるので、作業全体の効率が落ちてしまいます。
すべては「安全」のため。

「昔は」ロープを身体にむすんで身体をささえながら屋根を塗ったりしたものですが(※先ほどの「建設業労働災害防止規程」は厳密にいえば法律ではない)
令和になった今では作業員の安全を考えたら絶対に行ってはいけないと思います。
安心して立っていられるからこそ全てにしっかり手が届きますし、「ケガをしないのが当たり前」の環境をととのえるのは「仕事」として当然だと思うからです。
施主さまにおかれましてはご負担増になってしまいたいへん申し訳なく思うのですが、その旨ご理解いただけましたら幸いです。
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