フローリング床のオイルフィニッシュ補修。
フローリングがひび割れたので塗って欲しい。え?!フローリングってひび割れるモノでしたっけ?
そんなビックリで始まった今回の床の補修塗装。見させていただいて納得しました。合板フローリングで
す。合板フローリングは、厚いベニヤ板の表層に木の薄皮を貼り付けて板状にした床材です。無垢の木で
出来たフローリングに比べて踏み心地が固く、自然の風合いが出にくいようですが切断・加工が容易なの
でリフォーム向きの素材です。
その薄皮が剥がれたのですね。薄皮も木材なので、日当たりが良いところは伸び縮みもすれば風化もする
ようです。もしくは接着剤が風化して薄皮の伸び縮みに付いていけなくなったのでしょうか。補修するの
ですが、表面に合板が出てしまっているので木の皮と同じ模様にすることは難しいです。しかしこのまま
では怪我してしまいそうなので、なるべくなめらかにしてからオイルフィニッシュで仕上げる事にしまし
た。
○使用材料(今回は補修塗装です。オイル仕上げのテーブル等はこちらのブログで。)
オイルフィニッシュ塗料(WATCOオイル等)、刷毛(油性用|目地ばけと10号程度のもの)、砥の粉
きれいな布ウエス、塗料をいれるカップ、ゴミ入れ、水、サンドペーパー(120、240番)
耐水ペーパー(400番程度)、スクレーパー等、マスキングテープ
まずは浮いている薄皮をすべてキレイに取り除きます。ぜんぶ簡単にペロペロっと剥がせるかと思ってま
したが意外と丈夫なところもあったので、今回は出来るだけにとどめました。薄皮を剥がしたらサンドペ
ーパーの120番でかるく擦って下地調整。合板はいわゆるベニヤと同じなので、自然の木材のような木
目はなく、あるのは繊維のスジです。さわり心地もザラザラなので床のツルツル感というのは皆無です。
そこでこのザラツキの元であるデコボコを整えます。今回使うのは「との粉」。漢字では「砥の粉」と書
きますが、これは粘土質の岩を切り出すときに出る粉。これを水で1対1に溶いたものを木目に擦りつけ
て表面の溝やデコボコを埋めて平らに仕上げます。円を描くように根気よくスリスリスリスリとやるのが
コツです。擦りつけが終わったら当日の作業は終了。一日乾燥させます。
作業二日目。早速塗るぞ!!といきたいトコロですが、もう一度擦ります。下地調整は仕上がりの8割を
占める大事な作業。ゆっくり頑張りましょう。二度目のサンドペーパーは240番。だんだん目を細かく
してより滑らかにします。余計なとの粉やホコリをキレイに掃除したらいよいよ塗装開始です。使うのは
オイルフィニッシュと呼ばれる植物油ベースの自然塗料。木の内部に浸透して美しさを引き出しますが、
ホルムアルデヒドなどのVOC(揮発性有機化合物)を含まないので、どなたにも安心してお使い頂けま
す。
塗装の1回目は浸透させるのが目的です。全体が濡れ色になるようにタップリと塗りつけます。よく伸び
ますがムラにはなりません。ゆっくりていねいに塗って下さい。塗り終わったら浸透するまで待ちます。
温度によって待ち時間は違いますが約15~30分ほどです。お茶でも飲んで少し休憩しましょう。
そして時間になったら余計なオイルはすべて拭き取ります。と、ここでちょっと注意。オイルの拭き取り
に使った布ウエスは必ず水に浸けてから捨てて下さい。そのまま廃棄すると自然発火の恐れがあります。
写真は拭き取るまえのものです。拭き取ってからさらに1時間待って乾燥させたら、最後の2回目を塗装
します。1回目と同様にタップリ塗っていきます。そうしたらオイルが乾く前に耐水ペーパー400番で
刷り込み、表面のザラツキを取り除きます。全体塗りと研磨が終了したら余計なオイルを拭き取ります。
丸一日乾かしたら完成です。
合板なので木目こそ合いませんでしたが、表面は違和感なく自然なツヤで仕上がりました。これでうっか
りトゲが刺さったりといった事は無くなるはずです。オイルフィニッシュの良いところは絶対失敗しない
ところ。1度慣れてしまえばとても楽しい作業です。
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