木の玄関扉にもオイルペイント
年期の入った無垢の玄関扉です。最近では玄関扉はサッシである事がほとんどですが、昔の新築ではこの
ような無垢の木製扉はよく採用されていました。こちらの扉は新築時にはニス+クリア仕上げだったので
すが、扉は日が当たる東側にあるのでクリア層がバリバリ剥がれてしまっていました。現在は表層を全て
剥がした上でオイルペイント仕上げしてあります。
ニス+クリア仕上げというのは紫外線に大変弱いので、屋外の環境では普通の塗料のようには「全然」持
ちません。本来2,3年ごとに塗り続けていく必要がある材料なのです。放っておけば一気に剥がれ出す
ので見た目も大変悪くなります。しかし玄関の扉を交換するとなれば大きなお金が必要ですし、アルミサ
ッシの扉では木の柔らかい質感は決して得られません。だから木肌を生かしてかつ長持ちさせていくには
、塗っても膜にならずに「剥がれない」オイルペイントに塗り替えするのが一番だと思います。
さて、本来ニス仕上げの扉にオイルペイントを塗ろうとするなら表面の塗装はすべて剥がさねばいけませ
んが、今回は塗って5年目の改修塗装なので下地調整はまんべんなく軽くでOKです。塗料の説明にはサ
ンドペーパーで擦らずとも大丈夫とは書いてあるんですが、表面が劣化しているのは間違いないので、キ
レイに仕上げるためにはやっぱり擦っておきます。今回使ったのは240番の耐水ペーパー。耐水じゃなく
てもOKですよ。擦ったら固く絞った布などで残った汚れを拭き取っておきます。拭くと予想外に汚れが
張り付くのでビックリします(^^)
さて下地調整が終わったらそのまま塗っていきます。浸透させて保護とツヤを出す塗料なので下塗りなど
は必要ありません。今回使うのは前回塗ったときと同様の「オスモカラー ウッドステインプロテクター
」です。屋外用浸透型のオイルペイントなので、木の呼吸を妨げず、高い撥水性、耐候性、耐紫外線性能
があります。メーカーによれば「塗り替え時には1回塗りするだけ」とは書いてありますが、やはり劣化
した木地は必ず浸透するので、表面のツヤにムラが出てきます。やはり2回塗りは必須のようです。
屋内用のオイルペイントは塗ったら拭き取るのが原則ですが、このウッドステインプロテクターは拭き取
りが不要のオイルペイントです。塗りすぎると「ダレ」が発生するので刷毛で薄く延ばす要領でまんべん
なく塗っていきます。しばらくして塗ったところを見返してみると、所々にムラが出ていますが気にしな
いで塗り続けましょう。下手な手直しは「ダレ」のもとになるので絶対禁止です。
これで1回目は終了。塗った扉を見ると塗料を吸い込んだところと、吸い込まなかったところにツヤの差
が産まれています。これらは2回目で全て均一に仕上がるのでこれで良いのです。あとはもう一度塗れば
完成。ニス仕上げと同等のツヤが出るのでお客さまにも大変喜んで頂けました。
このようなオイルペイントは木地に吸い込まれてしまう塗料なので、失敗しにくいものです。素人の方で
も、チャレンジ次第で美しく生まれ変わらせることが出来ます。某ドラマの海老名外科部長も言っていま
す。チェンジ アンド チャレンジ!
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