後付けのガルバリウム鋼板の屋根を塗る。
屋根のリフォームとして、古い屋根を撤去せずに上からガルバリウム鋼板の屋根を被せる方法があります
。撤去費用がかからないので比較的お手軽な工法だと思います。「半永久的に持ちますよ」「もう塗装し
なくて良くなりますよ」と営業マンが勧めているようですが、このうたい文句は「条件付き」です。「お
客さまの年齢を考えれば」という前置きが省かれているのです。全く失礼な話で腹が立ちます。
実際ガルバリウム鋼板も錆びます。極端に早ければ10年もすれば錆びは始まります。ですがその「腐食
」に皆様、なかなか気付きにくいようです。というのも、皆さまのイメージする「サビ」とは見た目が少
々違うからでしょう。ガルバリウム鋼板は鉄板に亜鉛とアルミの合金をメッキしたものを、塗装した後に
高温の炉に入れられて焼き付けられたものです。このようにして出来た鋼板は、いきなり真っ赤に錆びた
りしません。
ガルバリウム鋼板のサビは上の写真のように始まります。この屋根はちなみに葺き替えてからちょうど1
0年目。見た目のイメージとしては、鉄板の上に塩の粒をばらまいた感じでしょうか。放っておけばこの
点がどんどん増え、最後には赤く錆び始めます。これを単なる汚れだと思ってしまう方が多いみたいです
。屋根の上は危なくて近づけないし、そうそう触れるところでもないので、屋根メーカーの営業マンの言
葉をつい信じてみたくなってしまうのは致し方ないところです。
ガルバリウム鋼板の塗装方法は、一般の鉄製品の塗装と同じやり方です。上の写真は下地調整したあとの
プライマ処理(左)と仕上げ塗り(右)ですが、今回の屋根ではサビはまだ発生していなかったので、密着性
を与える処理を施してからアクリルシリコン塗料を2回塗りして仕上げます。いくら強力な素地でも塗膜
に「浮き」や「剥がれ」が起こってしまえば表面の美しさは損なわれてしまうので、塗装で仕上げてある
製品の塗り替えは宿命といえるでしょう。
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