クリヤーUV塗料に塗りかえたら。の注意点。
サイディング外壁のクリヤーUV塗料というものが数社から販売されています。「新築時のサイディング
外壁の多彩模様をいつまでも残したい」というお客さまのご要望から製品化されたもので、製品化から
10年以上経っている大変実績のある塗料です。
ところでクリヤー塗料には「クリヤーであるがゆえ注意すべきこと」が有ります。
サイディング外壁のパネルとパネルのつなぎ目には隙間があります。壁が互いにかみ合っている訳ではな
いんですね。その隙間は「コーキング」と呼ばれる充填材で埋まっています。サイディングは壁自体が季
節の寒暖で伸びたり縮んだりするんですが、コーキングは壁同士がぶつからないよう隙間で伸び縮みする
ように出来ています。だからコーキングも「壁の一部」といえるんですが、これがたとえ塗装を施してあ
っても割れはじめる可能性があるんです。そのリミットは10年。塗装しない場合はさらに短くて7年で
す。
「それがなにかマズイのか」ですか?もう少しお待ち下さいね(^_^;)。
サイディングの表面は塗装で防水されています。しかしコーキングを打設してある側面は素地のままです
。コーキングが割れてしまうと壁に隙間が出来て、そこから雨水が入ります。そして太陽熱で温められる
と内部の水分が蒸発して、クリア塗膜の内側に「気泡」となって出てしまうんです。つまりクリヤー塗料
はクリヤーであるがゆえに、「内部からのダメージが表面に現れやすい」のです。いちど壁が泡立ってし
まったら、クリヤー塗料を塗ることはもう出来なくなります。
そしてさらに、クリヤー塗料自体はコーキングに塗ることが出来ません。コーキングはクリヤー塗装完了
後に打ち替えて、さらに別の塗料で塗る必要があります。クリヤー塗料ではコーキングの柔軟さに耐えき
れず割れてしまうからです。これはどんな塗料でもそうなのですが(コーキングの柔軟性に完全対応する
塗料はありません)クリヤーの場合はそれが目立つために塗りつぶす必要があるのです。
難しいハナシが続きましたがつまりこういう事です。
いつまでもクリヤーを保つためには「10年で」塗り替えましょう。クリアー塗料は壁のダメージが丸見
えになるので、それが表面に現れるまえに塗り替えるのがベストなのです。この結論のために文章が長く
なってしまいました。最後までお付き合い頂き有り難うございます(^^)
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