これは石材調塗料?を塗り替える(2)
楽しくて辛い真夏日が続いております。
夏休みも始まりました。夏遊びが出来る暑さに大喜びする子ども達。それに振り回されて足
やら腰やらヒイヒイの親御さまに祖父母の皆さま、ご苦労様です(笑)。昔の暑さとは違う
ようですので、意識しての水分と塩分補給の心がけを宜しくお願いいたします。
さて、先週のブログでお話した石材調塗料のつづきです。現場写真を塗料メーカーに確認し
たところ、やはりこの壁は石材調塗料を吹き付けたうえにウレタンクリアを吹いて仕上げた
外壁でした。
石材調塗料では、石材やセラミックを樹脂で固めています。ただその防水性はあまり強固と
はいえないようで、防水性確保のためにクリアを表面に吹き付けて仕上げています。そのた
めクリアが経年などにより劣化すると、表層にひび割れが生じてそこから水分が樹脂内に染
み込みます。
ひび割れているとはいえクリアで塞がれているので、染みこんだ水分はそこに留まり続けま
す。そして壁が太陽光で温められると、樹脂の内部で水分が1700倍の体積の水蒸気に変
化して膨れあがります。普通の塗料に比べて重たい石材調塗料は、まるでクロワッサンの層
のように剥がれ落ちるのです。
劣化すると上記のようになるのもそうなのですが、それに加えて石材調塗料では「塗った後
も」塗膜の管理をキッチリ行わないといけません。自然環境の中でいつも風雨にさらされて
いる家屋の置かれた条件は様々です。おおまかな耐候性は10年といわれていますが、その
頃にはクリヤー塗膜に劣化が始まっているので10年では遅いと思います。
よく塗装業者は「ダメになる前に早めに塗るのが良い」と言うと思いますが、これは営業ト
ークではなく本当のことです。既存の塗膜の上に重ねて塗るのが塗り替え工事ですから、も
ともとの塗膜が劣化していれば当然耐久力は落ちます。
ただ普通のウレタンやシリコン塗料の場合は急に劣化しませんし、劣化しても粉になって落
ちるだけなので気付きにくいです。だから塗装業者の言葉が「営業トーク」に聞こえるのも
仕方ないかも知れません。
石材調塗料は結局クリヤー仕上げなので10年持たないと思ってください。しかも重量のあ
る塗料なので壁に負荷が掛かりやすく、塗り替えも上記のリスクを覚悟のうえでクリヤー塗
料で1度(2回塗り)だけ。それ以降は残念ですが、リスクが高すぎて石材調塗料を剥がす
かセメントフィラーで模様を塗りつぶすより他に方法がありません。
一般的に「クリヤー」は塗装後の管理をキッチリ行わないと、取り返しの付かない問題が起
こり得ます。山本塗装では、こだわりのある方そして外壁の状態を小まめに見れる方以外に
はお勧めしておりません。
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