トタン屋根は剥がれる。
横須賀のソメイヨシノは今週が満開のピークでしょうか。金曜になったら散り出しました。
ですが、桜に一番風情を感じるのも今まさにこの時。荒れた天気の初春からいよいよ春本番
の暖かさがやってきました。お散歩ピクニックにお花見と、春を満喫したいですね(^^)
「前回屋根を塗装してから3年目でトタン屋根が剥がれた」
この字面だけ見れば「手抜き工事が行われた」と感じられる方が多いかと思われます。
ですが「トタン屋根そのものが問題」だとしたら、どうですか?

素地から剥がれて錆びた屋根
「トタン板」とは正式には「亜鉛メッキ鋼板」と呼ばれるものです。昔から建築用の建材と
して工場から住宅まで広く扱われていました。ですが近年、その主役の座は「ガルバリウム
鋼板」にとって変わりつつあります。
亜鉛メッキは経年による劣化で風化すると「不活性層」と呼ばれるものを表面に創り出して
自身をサビから守る特性があります。これがトタンの耐候性が高い理由です。
そしてその昔、住宅用に作られた「カラートタン」と呼ばれる建材には、
亜鉛メッキの表層に「アルキド樹脂塗料」が塗られていました。いわゆる「ペンキ」です。
この二つはそれぞれ「腐食させない」という目的のためには
とても良いものでしたが「美しさを長く保つ」意味では「最悪の相性」でした。
じつはこの不活性層には「アルキド樹脂を剥離させる」特性がありました。
つまりどういうことかというと「古くなると、ペンキがバリバリ剥がれてしまう」んです。
もちろん、風化が起きる前に定期的に塗っておけば問題は起きなかったのでしょうが、
「塗装しなきゃ!と思う時っていつですか?問題が見えてからではないですか?」
現場で塗装するときに「下地調整」という作業がありますが、
擦っても引っ掻いても剥がれないところはその既存の塗膜の上に塗装するしかありません。
それ以上の作業は金額的にも現実的ではありませんし、素地そのものが壊れてしまいます。
そしてその「剥がれなかったところ」も、年月を経て不活性化すれば素地から剥がれます。
これが、塗装が次から次へと剥がれていく原因です。
とまぁ、トタン板の悪口をさんざん書きましたが、悪いことばかりではありません。
このことを知ってるだけで、有効なリフォームの方向性が判ってきます。それは
「一定量剥がれたら補修工事」を繰り返すか、屋根をぜんぶ葺き替えるかの二通りです。
葺き替えるのは導入金額が高いですが、補修工事を繰り返さなくて済むので長い目で見ると
お得です。その一方で補修工事は多額の費用を掛けずに修繕できるために、先々を考えると
お得な場合があります。
一般的に新製品というのは、すぐに手を出すと欠陥が見つかったときに手間を取られます。
やはり、実際の現場で揉まれて定番商品になってるもの位が「丁度良い」のです。
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