塗装の耐用年数とコスパ。
塗料の耐用年数とは、塗装が壁などの被塗物を保護できる年数のことです。外壁材や家の様式美の多様化によって、たくさんの種類の塗料もまた世に出ています。
そこで今回は、代表的な塗料を例にとって価格などを算出し、コストパフォーマンスを比較してみました。ただ、表とは関係ないところで高くついてしまうものもあったので、一読して頂ければと思います。
コスパ比較と考察。
価格が高かった塗料も、実際に必要な量と耐用年数で換算すると以外と安いことに気がつきます。逆に、それほど高く見えなかったものがずいぶんと高い物だということも判ります。
・外壁用クリヤ
外壁用クリヤ塗料はその特性上、コーキングに塗装する事ができません。場所にもよりますが非塗装のコーキングの耐用年数は「7年程度」なので、塗料の耐用年数「11年」を迎える前にコーキングが切れてしまいます。
コーキングも塗装と同様に仮設足場が必要で、仮設足場に15~20万円かかる事を考えれば「クリヤ塗料はコーキングと一緒に「7年程度」で塗り替える」と言う事になり
「57,400÷7年=8,200円/年」
もっともコスパが悪くなってしまいました。
・フッ素塗料
フッ素塗料はシリコンより持ちますが、それ以上に価格が高すぎてコスパが悪いです。またフッ素はもともと帯電しやすい、
つまり「ホコリが付きやすい」性質のものです。表面皮膜によって防がれていますが、経年により汚れやすくなる可能性もあります。
・ラジカル塗料
「ラジカル」は昔から高級な塗料全体に実装されてきた技術なので、シリコンもフッ素も大体「ラジカル塗料」です。日本ペイントが「ラジカル塗料」と銘打って「安くて高耐候」をアピールしていますが、
シリコンでもフッ素でもない「ラジカル塗料」がシリコンと同等の耐用年数を持ちコスパも良い、というのは少々不思議に思います。
ということで、弊社では溶剤系のシリコン塗料をおすすめします。各社で販売されたことで価格も落ち着いていますし、何より10年以上にわたるロングセラーの商品なので信頼できます。
(塗料の品質は実質メーカー発信のみです。第三者機関であるJISもありますが、新しい塗料については認証が間に合っていないのが実態です)
まとめ。
余談ですが、塗料のカタログにある耐用年数に幅が設けてあるのは、方角・塩害・風・草木の存在など、さまざまな条件により塗膜に掛かる負荷が大きく変わるからです。
とくに弊社がある横須賀市は周りを海に囲まれた地域なので、内陸の地域では起こらないことも起きます。
どんな家も経年で内部から確実に古くなっていきますし、木部や鉄部においては腐食の進行は不可避です。
だからこそ、弊社としての結論は「塗料の品質」よりも「定期的な塗装」を心がけた方が、家はキレイでいられる。と思うのです。
投稿者プロフィール
最新の投稿
- 建築の雑学2024.11.15冬とペンキ(令和6年改訂)
- 新しい建材と対処2024.11.10「セキスイかわらU」の塗装。
- ペンキ屋さんのDIY2024.11.02木を塗るDIY。(令和6年加筆)
- 塗料レビュー2024.10.26「1回塗り」の屋根塗料