住宅塗装の「カラーシミュレーション」(R5改定版)

住宅塗装のカラーシミュレーション 外壁

塗装後の色のイメージをつかむ事を「色彩設計」といいます。カラーシミュレーションは便利なツールですが、実際に塗った色とシミュレーションがかけ離れてしまって「正直ガッカリした」といった経験はありませんか?

結論からお話ししてしまうと、色彩設計に失敗する原因は「業者とのコミュニケーション不足」にあると思います。弊社は年間で30件以上の色彩設計をおこなっており、東商認定の2級カラーコーディネーター(現アドバンスクラス相当)が在籍しています(筆者です)。

お客様の皆さまにご満足頂いておりますが、今回は弊社で蓄積された実際のノウハウをお話しさせて頂きます。皆さまの色彩設計のお役に立つ事が出来ましたら幸いです。

シミュレーションがうまくいかない原因

色を正確に伝えるには手順が必要
色を正確に伝えるには手順が必要

お客様が「イメージしてる色」というのは、お客様ご自身のアタマの中にあるもの。それを様々な方法で抽出し「イメージ」と「実際」をつなげるのが「技術者」の役目です。

「画面上や紙面上のみで」お客様に色彩の決定を委ねるというのはかなり乱暴な行為だと思います。

シミュレーションを「実物にする」

画像の色は塗料では再現できません
画像の色は塗料では再現できません

画面や印刷の色と実際の色は違ってきます。モニターが出す光の色は太陽光のある屋外では再現できません。シミュレーションのあとは必ず実際の塗料が塗られた色見本で判断する必要があります。

色に当たる光源も室内灯と太陽光では色味がまったく変わってきます。家の色はお日さまの下で確認しましょう。そして日かげで見てください。つよい光は眼の感覚を狂わせます。色見本で選んだ色以外に少し濃い薄いなどの似た色を合わせて3色。

これらを、A4用紙大の塗り板で作成してもらい見比べます。ここまで来たら最終的に色が決定して頂けると思います。色を決めるために、これだけのコミュニケーションが必要なのです。

Webサービスのカラーシミュレーション

各塗料メーカーでも無料のカラーシミュレーションを展開しています。Web上のカラーシミュレーションは実際の写真を処理して色をつけてくれるものではなく、あらかじめ用意された住宅データの色を変えることで「イメージをつかむ」ものです。

※いずれもAdobe社のFLASHPLAYERを使用しているのでスマホやタブレットでは利用出来ません。

・日本ペイント Thermoカラーシミュレーション

Webサイトにリンクします

CG(コンピューターグラフィック)で用意された家の外観を使い、屋根、外壁の色を選ぶものです。※日本ペイントThermoカラーシミュレーションはこちらをクリック

・関西ペイント スマートカラー

Webサイトにリンクします

決められたイラストから建物スタイルを5パターン。カラーイメージを6種選ぶ事が出来ます。それを元に外壁2色、屋根、破風、軒天、雨どいの色彩をそれぞれ調整することができます。※関西ペイントスマートカラーはこちらをクリック

・エスケー化研REPAINT SIMULATOR

Webサイトにリンクします

住宅を10種類。集合住宅を6種類に工場と、多種のパターンを用意。外壁を2色。屋根と玄関ドアおよび雨どい等の付帯部の色彩を調整できます。アルミサッシを塗る想定にしているのには驚きました。

※エスケー化研REPAINT SIMULATORはこちらをクリック

弊社 山本塗装の場合

実際の家を元にするのでイメージに違和感が出ません

弊社では上記にお話ししたノウハウに加え、実際のご自宅の写真を使ってシミュレーションを行います。色彩設計はその建物の形態によって塗り分けの位置が決まります。ご自宅を使ってのシミュレーションでなければイメージすらつかめません。

さらに、横須賀市の景観条例にそった色見本帳をご用意しています。大まかなイメージを見本帳に委ねることにより、図らずもド派手な色を選んでしまう心配も要らなくなります。

まとめ

実際、ご自宅を「今と違う色で塗ってみよう」と考えるのはなかなかの冒険だと思います。弊社のお客様でも「色を考えるのは難しいから今の色で良いよ」とおっしゃる方が大半です。しかしご提案の準備はしてあります。

カラーシミュレーションは万能ではありませんが、お客様のイメージを現実に落とし込むための助けになるものです。あたらしい色彩がお客様の人生の励みになるよう、これからもお話を聞かせてください。