業務日誌-「腐食管理」の見本。
「八景島シーパラダイス」に行ってきました。
念のため、施設の概要をお話ししますと
-横浜・八景島シーパラダイスは
神奈川県横浜市金沢区八景島にある
(というか島全体が)
水族館・遊園地・ショッピングモール・
ホテル・マリーナなどで構成された
複合型海洋レジャー施設です。-
ご存じですよね(^_^;)
八景島は当然「島」なので、辺りは全て海。
これほど塗装に悪い条件の場所なので
「建築物の維持管理のお勉強」にはピッタリ!
ということで、
普通のお客さんがまず撮らないであろう所を
カメラに納め、その維持管理の方法を学び、
いつかのための参考にしてみようと思います。
目次
〇ひたすら厚塗り
〇コンクリートは晒さない。
〇ステンレスでも錆びる
〇溜まるところ。
〇大変なところはドブ漬けメッキ。
.〇ひたすら厚塗り
まずは島の入口に架かっている鉄橋ですが
錆びているところは
柱の根元部分に鉄骨の連結部のビス部分。
塩害に強いエポキシ防錆でも、普通なら
これだけの潮風に晒されれば腐食は進むはず。
とにかく
どんどん塗って厚みを稼ぐことで
鉄骨を厳しい環境から守っているようです。
.〇コンクリートは晒さない。
コンクリートが
露出してるように見える基礎や柱廻りですが
コンクリートは本来、塗装やタイルなどで
表面を保護するものなので、
むき出しの状態は経年劣化によって
雨水や塩分を浸透、内部鉄筋を錆びさせます。
すべてキチンと塗装されていました。
.〇ステンレスでも錆びる
こちらは水族館入り口。ステンレスですが
点々と錆びが見受けられます。
実はステンレスにも
微量ではありますが鉄が含有しています。
それでも通常の環境なら錆びないのですが
塩分(塩化物イオン環境)
には注意が必要が必要なようです。
(Wikipedia-ステンレス鋼より)
.〇溜まるところ。
アクアスタジアムの通路の手すり。
海の動物たちのショーが行われるところです。
他のところは錆びてないのに
下端のところだけが錆びています。
やはりサビは
「溜まるところ」に発生するようです。
.〇大変なところはドブ漬けメッキ。
こちらはアクアミュージアムの天蓋部分。
このような手の出しづらい高所では
亜鉛メッキ処理された鉄骨が使われています。
亜鉛は「不動態」と呼ばれる
安定被膜を形成します。これは塗料とは違って
たとえ鉄素地が露出しても表面のメッキが
鉄より早く傷を覆って腐食を防止するのです。
.〇まとめ
平成5年(1993)の営業開始から27年。
あのような環境下で
よく保っているものだと感心しました。
やはり定期的な維持管理計画が
滞りなく実施されている結果なのでしょう。
「我が家」を守るのに大事なのは
「定期的な維持管理」これにつきるのです。
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