サイディング外壁の後貼りについて-R3改訂版
昨今のサイディング外壁の流行りに乗って
「モルタル壁の上にサイディングを貼りたい」
という方も多くいらっしゃるかと思いますが
実際そのような現場で多く見られたのが
壁の「細かい割れ」や「くずれ」でした。
それに加え、建築業者の施工能力によっては
劣化が著しく進んでしまう事もある様です。
今回は実例を見ながら「後貼りサイディング」
のデメリットをご説明しつつ、すでに
後貼りサイディングを施工されてるお宅様での
管理方法もお伝えできればと思います。
目次
〇壁が「割れる」「崩れる」
〇壁の重さ
〇水平方向の継ぎ目
〇管理方法、まとめ。
.〇壁が「割れる」「崩れる」
「無機コーティング」や「光触媒」といった
高耐候の外壁材でも、内部からの水分には
やはり弱いようです。写真をみると
内側からの水分によって割れている印象。
サイディングは元のモルタル以上に
定期的な塗装メンテナンスが必須な壁材。
「塗らなくて良い」と言う事はないのです。
.〇壁の重さ
「サイディング材は軽いので地震に強い」
と言われますが、後張りの場合は
まったく意味を成しません。壁下地に掛かる
重量はモルタル+サイディングなので
強い弱いで言えば「弱い」方向に働きます。
モルタル外壁も丈夫で地震にも強いです。
.〇水平方向の継ぎ目
写真で見ると、壁の自壊が進んでいるのが
お判りになるかと思います。
よく見ると、外壁の水平方向の継ぎ目は
コーキングだけで繋いでいる状態です。
水平方向は通常下から上。内側から外側へと
互いに重ね継ぎする構造となっています。
重ねの部分も塗装されてるので腐りにくく
水はけも良いので雨水侵入もほぼ無しです。
ところがこの壁は噛み合わせ部分がなく
ただ断面にコーキングを打っただけ。
完全に施工不良です。サイディングは
セメント質と繊維質の圧縮材ですが
防水性は塗装のみで担保されており
断面は未塗装なので水を吸ってしまいます。
水平方向に切り口があったのでは
経年によりコーキングが離れたその途端
水をどんどん吸い、壁の自壊が始まります。
〇管理方法、まとめ。
モルタルとサイディングの利点と欠点を
後貼りサイディングはモルタルの利点を消し
サイディングの欠点を足すのと同意です。
サイディングはモルタルよりメンテ代が
高くなる傾向もあるので
取り付けるまえに一考してみましょう。
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