－泡立つ！？－

写真1　水が回って腐食したボード製軒天井

写真2　空気の流通により泡だった軒天井

重量が軽く耐火性の強いサイディング外壁ですが、水分にはとても弱いものです(写真1)。表面以外は塗装されていない新築時の状態では、コーキングが経年劣化したそのすき間から、もしくは塗装されていない壁の下端や裏側から水は容赦なく染み込んでしまいます。

新築時のサイディング外壁の塗装は丈夫なので表面から見ても分からないのですが、侵食した水分は内部のセメント質を徐々に崩してしまいます。こうなると壁は空気の流通がさかんに行われるようになります。

この状態のサイディング壁に塗り替え工事を行うと、新しく出来た塗膜は空気の流通を妨げてしまい、弾性力のあるウレタンなりシリコン塗装の塗膜は内部の空気に押されて泡状になって膨らんでしまう可能性があるのです(写真2)。

微弾性の下地処理材で表面の膨らみを抑えることも出来ますが、完全に解決するのは難しく、外壁を張り替え交換するしか方法がありません。

定期的にメンテナンスをしなければならないのはどんな材質の壁でも一緒ですが、サイディングはベストな時期を逃すと一気に劣化します。状態の悪くならないうちに。例えば10年程度で塗替えを行ってください。