弊社山本塗装は、昭和46年の創業以来累計1700棟の塗装工事を手がけてきました。
現場のなかで経験してきた実感としての塗料の耐用年数をまとめてみました。そのほかに、
塗膜の耐用年数をより長持ちさせる為のテクニックも併せてご紹介したいと思います。
■目次
〇塗料の耐用年数とは。
〇耐用年数の比較と「お得感」
〇耐用年数と立地の関係。
〇より長持ちさせるテクニック。
〇塗料の隠れたデメリット。
〇塗膜じゃない物の耐用年数は?
〇まとめ。
〇塗料の耐用年数とは。
家は外壁に囲まれている事で外界から私たちを守ってくれています。そしてその外壁を厳し
い自然環境から守ってくれてるのが「塗膜」です。だからサイディング、モルタル、金属等
すべての外壁は「塗装で」仕上げられているのです。
外壁塗装の「耐用年数」とは「塗膜」が外壁などの素地を保護できる年数のことです。例え
ば耐用年数10年の塗料でも、5年ほど経つと太陽の紫外線の効果でツヤが引け始めます。
毎日見ていると気付かない程度に進行はすすみ、10年経つ頃には日向と日陰では色が全く
違ってきます。チョーキングなどの塗膜の異常も日当たりのよい箇所から始まります。
〇耐用年数の比較と「お得感」
価格が高かった塗料も、実際に必要な量と耐用年数で換算すると以外と安いことに気がつき
ます。逆に、それほど高く見えなかったものがずいぶんと高い物だということも判ります。
〇耐用年数と立地の関係。
塗料の耐用年数に幅があるのは建築物が屋外に建てられているからです。方角・塩害・風・
草木の存在など、さまざまな立地条件により塗膜に掛かる負荷は大きく変わります。
弊社がある横須賀市は周りを海に囲まれた地域です。海からの風で塩が付着します。そして
イオン化して鉄を錆びさせます。内陸の地域では起きないことが起きる地域だと思います。
ご自身の目で家の状態を確認して何処が痛みやすいかを見極め、そこを基準にリフォームの
スケジュールを組みましょう。それが結果として全体をきれいに保ち、かつ必要な塗料グレ
ードを見いだすことが出来ます。
こちらにまとめてあります。「安い塗料でOK」の塗装リフォームって?
〇より長持ちさせるテクニック。
軒天井の下あたりの外壁などは雨水が当たらないので汚れやすいですね。そんな塗装面をよ
り長持ちさせる方法は簡単。水洗いです。水道のホースで流すだけでも効果があります。
最近は手軽に入手できるようになった高圧洗浄機も便利です。水洗いはご近所にお声がけの
上で雨の日にやりましょう。たとえ汚れた水が飛んでも、雨がぜんぶ流してくれますよ。
〇塗料の隠れたデメリット。
クリヤー樹脂塗料は「コーキングには塗れません」。仮設足場を15~20万円掛けて建て
る都合上、クリヤー樹脂塗料はコーキングの耐用年数「7年」程度で一緒に塗り替えると仮
設足場を有効利用できます。
フッ素樹脂塗料はもともと帯電しやすい。つまり「ホコリが付きやすい」性質のものです。
表面皮膜によって親水処理されていますが、経年により汚れやすくなる可能性があります。
塗料もコーキングも30年近くの長寿命を謳う製品があります。壁以外の部分を修繕するの
に仮設足場が必要な事と、製品価格との兼ね合いを考えると割高になる可能性があります。
こちらが参考になります。
ミライその1 ー 30年持つシーリング材。 ミライその2 -30年色あせない外壁。
〇塗膜じゃない物の耐用年数は?
窯業サイディングの外壁では新築時にコーキングは塗装されません。塗料で守られていない
ので耐用年数は平均で「7年」ほど。外壁リフォームはコーキングの耐用年数に沿ったもの
になる傾向が強いです。
シャッターや雨戸等の鉄製品は、立地にもよりますが「10年」を過ぎると錆び始めます。
〇まとめ
塗装リフォームは仮設足場が15~20万円掛かるので、足場を組んだときにまとめて施工
することを考えると新築時の窯業サイディングの場合は7~10年。その後もしくは他の外
壁では塗料の耐用年数くらいで行うと良い状態で全体の保護が出来るでしょう。
効率の良い塗装リフォームのやり方をまとめてあります。併せて読むと、より良い塗装リフ
ォームへのお役に立てると思います。「安い塗料でOK」の塗装リフォームって?