今年も暖冬でしょうか。朝だけは寒いのでフリースジャケットなんて着てますが、昼間は作
業着の下に履いているタイツが脱げずに「暑っつぅー」とガマンしながら作業しています。
僕的には、あの「キーン」と張り詰めた真冬の寒さも意外と嫌いじゃないんですけどね。
さてつい先日スタートした現場。サイディング外壁のお宅ですが、築15年を過ぎてもチョ
ーキング(壁の塗料が風化して粉を吹く現象)が出ていません。これがもしかしてウワサの
「難付着サイディング」では?
「難付着サイディング」とは何ぞやと云いますと、その名が示すとおり塗料が付着しにくい
処理が施してあるサイディングの事です。「汚れが付きにくいように」と設けられた機能で
はあるのですが、その結果「塗料も密着させにくくなる」という皮肉な結果になっています。
難付着サイディングを疑う要因として下記の3つの条件があります。
1.2000年以降の新築物件であること。
2.「無機」「光触媒」「親水性」機能を謳った壁材である。
3.年数を経ても塗膜の白亜化(チョーキング)が起きていないこと。
写真を見てみると、壁の模様の鋭利な部分は割れてたりしてますが、壁を素手でかなり強め
にこすっても汚れや塗装が手に付きません。また、家主さまのお話だと「長持ちしますよ」
との名目で保護クリヤー塗装を処理していったらしく、今回の高圧洗浄では少量それらしき
ものが剥がれました。
こういうものは業者が「知識」として把握出来ていないと、間違いが起きてしまう事もあり
大変厄介なものです。いま現在、上記の無機系処理に対応した下地処理材(シーラー)は各
塗料メーカーから発売されています。密着処理だけ突破出来れば、通常通りで大丈夫です。
どうもハウスメーカーの発想する建材というのはメンテナンス性を「おろそか」というか考
えてないというか、修理やメンテナンスがしにくいものばかりです。悪くなったら「建て替
えろ」という隠れたメッセージが伺えます。
どこかの勉強会で言ってましたが、ハウスメーカーは住宅の耐用年数を「25年」と設定し
ているのだそうです。実際データを集めてみればそのようになっているのかも知れませんが
、家を使い捨てのゴミみたいに扱うのは違う気がします。家というのは修理改善をしながら
受け継いでいく物だと僕は思うんですが。