ホームセンターで売っているDIY用の
塗料は「扱いを簡単に」「少ない塗り回数」で
仕上げられるように工夫されていますが
プロが使う塗料は成り立ちが違います。
「密着」「密着と下地」「下地と美観」
「美観と耐候性」といったように
各々が役割を持っており、塗るものや
状態によって組み合わせる事が出来るのです。
この組み合わせを塗装の「仕様」といいますが
今回はそのうちのひとつ「下地処理」について
塗る物ごとにフカボリしていきます。
目次
〇木部(塗装済み)
〇木部(保護処理済み)
〇外壁など(サイディング、モルタル)
〇鉄、カラーステンレス
〇まとめ
.〇木部(塗装済み)
木部にペンキを塗るときにケレン作業後の
下地処理として「下塗り」塗料を使います。
これは木の繊維に染みこんで「密着」と同時に
仕上げ塗料を吸わせない「目止め」が役割。
(吸われると塗料のツヤが出ません)
既存の塗膜を剥がした所は他より染みこみが
大きいので、木の肌質を均一にするために
下塗り塗料を2回塗って美観を整えます。
.〇木部(保護処理済み)
塀や外壁材の一部を木板で仕上げるお宅様も
増えています。自然素材である木は年数を経て
変化していきますが、美観などを一定の状態に
保つためには「保護処理」が必要です。
「塗料」のようにベロッと醜く剥がれません。
他の外壁と一緒に処理しておけば十分です。
経年による変化を美と捉える方にはクリア。
そうでない方には着色も出来ます。
.〇外壁など(サイディング、モルタル)
塗料を吸い込ませる事が出来る材料には
「密着材」を「下地処理」に使います。
密着だけなら「シーラー」。
釘穴や髪の毛程度のヒビ
まで埋めて美観も整える「微弾性フィラー」
これらを塗る物の状態によって使い分けます。
光触媒等のコーティングがされた
サイディングには専用シーラーがありますが
釘穴やヒビにはさらにフィラーが必要です。
.〇鉄、カラーステンレス
鉄はそのままでは錆びるので、ケレン作業の後
酸素の供給を抑える「錆止め」を塗布します。
カラーステンレスは塗らなくても
良さそうですが、「塗膜は」剥がれます。
ステンレス素地へ直接塗装するには工場の
整えられた環境が必要になるので、現場では
既存塗膜を守る美観のための塗装が必要です。
密着を高めるために「プライマー」で
下地処理したあとに仕上げ塗料を塗布します。
〇まとめ
材料を何層にも積み重ねることで
長持ちするひとつの塗膜が完成します。
仕上げ塗料が長持ちするのも
半分以上は下地処理のおかげ。
その重要さをご理解頂けたら幸いです。