外壁塗装などで使われる外装用ペイントは
油性塗料と水性塗料の2つに分けられますが、
塗料店からは「水性を使いませんか?」
といった広告宣伝アピールがたくさん来ます。
それほどまでに水性塗料は種類・性能ともに
進化してきたのだと思いますが、個人的に
先に結論を言うと、塗料の性能では油性です。
「ですがそれでも」
高性能な水性塗料は必要不可欠と思います。
一見矛盾してますが、今回はそこも含めて
水性塗料の長所と課題をフカボリしてきます。
目次
〇「油性」が良い理由。
〇でも「水性」の理由。
〇「水性」これからの課題。
〇まとめ
.〇「油性」が良い理由。
新築後の住宅は屋外の厳しい環境に
晒されます。建物の雨仕舞いや立地によって
壁の内部の水分が表面で激しく膨張する事が
あるのですが、水性塗料はその柔らかさ故に
大きく膨らんでしまいます。そこへいくと
油性は経験上、あまり膨れた所を見ません。
〇でも「水性」の理由。
水性塗料の最大の長所は
「水性」ゆえに既存の塗膜を冒さないことです。
例えば既存の塗膜の密着力に不安があるとき。
油性塗料は、乾燥・硬化時にすこし縮むので
それをきっかけに既存の塗膜が剥がれてしまう
危険があるのですが、水性ではそれを最小限に
留めることが出来ます。万能ではありませんが
水性塗料があることで「もう塗装できない」
という最悪の事態だけは避ける事が出来ます。
.〇「水性」これからの課題。
水性塗料が克服すべき問題は大きく2つ。
ひとつは前項で述べたような
「内部からの水分で大きく膨れる」問題。
これは伸縮力だけの問題ではなく
塗料の密着力や透湿性(水蒸気を逃がす力)も
課題に含まれているものと思われます。
もうひとつは「色かぶりの悪さ」です。
特に刷毛塗りすると分かりますが、とにかく
下地が透けます。乾燥してから透けが発覚する
ことも多いので、その修繕の為の人件費が
増えてしまうのが最大の問題です。
同じ色で2回塗ったり、下地処理材を同系色に
して「透け」自体を軽減する事が出来たとしても
そうすると今度は
「2回塗りが目視で判別出来なくなったり」
「廃棄する余材料が増えてしまったり」と
効率的にも環境的※にも良くありません。
(※水性塗料も油性と同じく
法令を遵守する産廃業者に処理委託します)
〇まとめ
弊社では以上のことを総合的に考えて
基本的には油性塗料をお勧めしていますが
昨今のニーズで注目される利点があります。
水性塗料は「つや消し」が得意なことです。
油性塗料(シリコン等)では3分艶が
限界ですが、完全なつや消しを求めるのなら
高性能な水性塗料は、必要不可欠と思います。