ハウスメーカーの家では時折
ふつうの建築業者が使わない材料や構造で
家を建てていることがあります。
まるで材料の特性を無視しているかのような。
そんなことが
大手のハウスメーカーでも有るのです。
今日は、塗装業者が現場で驚いた
ハウスメーカーの家についてフカボリします。
目次
〇水が溜まるところにサイディング
〇水が天井裏に回る軒天井
〇壁の継ぎ目にゴム
〇海辺の家に鉄の屋根材
.〇水が溜まるところにサイディング
屋根から張り出したベランダの壁の下端に
1、2階を隔てるアクセントとして
帯状の幕板(まくいた)が囲っています。
雨が壁を伝って最後にたまる下端に
水を吸いやすいサイディングで帯を作ってる。
本来ならここは、壁の中に金属製の水切を
作って壁と水との縁を切るべきです。
サイディングは「セメント質と繊維」なので
新しいうちは塗膜で守られてるのですが
そのうち水を吸ってセメント質が流れだし
グズっと崩れる可能性があります。
.〇水が天井裏に回る軒天井
上記の状況にはもう一つ欠陥がありました。
ベランダの壁を伝う雨水を流す仕組みとして
下端の幕板から水を壁の内部に引き込んで
壁の内側にある防水シートを使い
下端に流すという仕組みだったのですが
防水シートが内部でおかしな流れとなり
天井材に水を流して腐食させていました。
この場合は天井を剥がして防水シートを
直したのちに天井材を新しく張り替えました。
.〇壁の継ぎ目にゴム
サイディング外壁の壁同士の継ぎ目には
通常コーキング材があり穴を塞いでいますが
そこにゴムパッキンが詰まっている
家がありました。特に固定はされていません。
太陽の紫外線は当たらないのでしょうが
うかつに外せないものです。
なにも処理を施せないのは少々心配です。
.〇海辺の家に鉄の屋根材
海辺の高台に建ったお宅さまでしたが
屋根の頂点をおおっている
屋根棟(やねむね)という部材があります。
その一部に換気スリットがあるのですが
その内部の奥。刷毛のとどかないところに
「真っ赤に錆びた鉄の部品」が見えるのです。
屋根の上のように
工事中にしか手を施せないところには
ステンレスのような
耐候性の良い材料を使うべきと思います。
.〇まとめ
塗装業者の視点でみるとやはり
普通の大工さんや建築会社の建てた家の方が
「考えられてるな」といった印象です。
ハウスメーカーの建てる家は、その立地や
メンテナンス性を重視してない様に感じます。
その建て方からは
「ダメになったら取替えろ」的な思想が見えて
ユーザー目線からすれば憤りも感じるのです。