丈夫なことで知られるFRP防水床ですが
穴が空くことが稀にあるようです。
その時はその道のプロである
防水業者さんにお願いしています。
今回は防水屋さんの資料の備忘録より
「FRP防水床の緩衝工法」についてお話します。
目次
◯防水床の現状
◯あとで膨れないように
◯「緩衝工法」の手順
◯脱気筒の取り付け
◯防水層の施工
◯まとめ
◯防水床の現状
写真のように、防水床面に小さく丸い穴が空いて
います。釘の浮きが防水床を突き破ったものと
思われます。また、穴の周辺では床面を歩くと
ポコポコと動きます。FRP防水層は通常、合板の
下地と密着しているのですが、これが離れて
しまっている状態。床としては異常事態です。
内部がどのようになっているかは
床を切って開けてみないと判りません。
◯あとで膨れないように
まずはFRP防水槽を穴のまわりだけカット
します。腐食した釘が見えてきました。
釘のまわりの合板は水を含んで
腐っています。合板は2枚で24mmの厚が
ありましたが、その下にある1階の軒天が
見えるほど。内部が水を含んでいるので、
のちのち湿気で床の膨れなどの
異常が出ることの無いよう、今回は
「緩衝工法」を採用する事になりました。
◯「緩衝工法」の手順
腐食した合板を全て取り除き、合板を支える
「さん木」を補強したうえで新しい合板を2枚
重ねて床面と揃えます。元の床と段差が
出ないよう整えたら、プライマーとシールで
下地処理を施し「緩衝シート」を敷き詰めます。
緩衝シートは上方向にしか湿気を通さないので
修繕工事に向いた材料です。この上に
プライマーとFRP層を2層施工していきます。
◯脱気筒の取り付け
湿気を逃してやるには逃す口が必要です。そこで
FRP層より先に「脱気筒」を取り付け、ここから
積極的に湿気を逃します。ベランダを歩くのに
邪魔にならないよう、皿状を採用しました。
◯防水層の施工
防水層を施工していきます。
「FRP」で一番身近なのは、自動車の前後に
付いている「バンパー」でしょうか。
まず密着するよう緩衝シートにプライマーを
塗り、「樹脂、ガラスクロス、脱泡処理」が
セットになった防水層を2層作ります。
最後にトップコートを2回塗って
脱気筒にカバーを付けたら完成です。
◯まとめ
表面を防水層としているFRP、ウレタン、
塩ビシート等の防水床は、防水層の本体を守る
ためのトップコートが塗られています。これを
メンテナンスしていくことで床は長持ちします。
トップコートは塗装店で施工出来ますので
外壁や屋根と一緒に塗っておきましょう。