塗装を密着させる役目を持つ下地処理材には「シーラー」と「フィラー」があります。いったい何が違う
のでしょうか。処理材の単価で見比べると、確かにフィラーよりシーラーの方が多少お安い金額です。で
すが「だからシーラーの方がお得」というのはとんでもなく大きな間違いに繋がることがあるので注意が
必要です。
山本塗装では、外壁の状態を判断してシーラーとフィラーを使い分けもしくは併用して使用しています。
シーラーの利点は
1.溶剤系ならば、外壁の下地にまで浸透して密着するので密着力が強い。
2.サラサラとした液体なのでフィラーと比べて使用量が少なくて済む。
3.セメント質(窯業サイディングの塗装が剥がれた箇所)にも浸透密着できる。
どちらかというと、「モルタル外壁」に向いている材料といえます。
微弾性フィラーの利点は
1.水性なのでニオイが少なく、溶剤系シーラーのように旧塗膜を痛める心配がない。
2.水性なので浸透こそしないが面全体で密着し、かつ弾性力があるので密着力は強い。
3.クリーム状なので、被塗装物の穴やひび割れを補修して平らに仕上げられる。
壁のクギ穴や細かいヒビが発生することが多い、窯業サイディング外壁に向いた材料です。
外壁の状態が塗装後10年といった劣化具合であれば、上記の選び方で問題はありません。ですが三浦半
島は塩害地域です。建物の立地によって劣化の具合もさまざまに変わってきます。特に窯業サイディング
外壁の場合、旧塗膜が剥がれた部分が極端に多ければ微弾性フィラーの前にシーラーでセメント質を処理
しておかねばなりません。そしてシーラーだけではクギ穴やひび割れは埋められないので、シーラーで全
体を処理した後にフィラーを全体塗りしなければいけない事もあるのです。
ひび割れが少なければシーラーの後にヒビ部分だけをフィラーで拾い塗りすることも可能ですが「状態に
よっては費用が高額になることもある」という事をご承知ください。結局、悪くならないうちに塗るのが
何よりもお得なのだということです。