今回塗装しているのは、無垢の木で造られたベランダです。木材は放っておくと木の樹脂ごと劣化してし
まうので、耐久性がガクンと落ちてしまいます。外壁などの他の外装材よりメンテナンスを小まめに行う
必要があるんです。木製のベランダやウッドデッキは基本「雨ざらし」プラス「南向きの日当たり抜群」
の環境なので、なおさら日頃のお手入れが大切になります。そのためか、お手入れが簡単なアルミやその
他の樹脂製のものも広く出回っています。
でも、違うんですよね。ぬくもり感というか独特の柔らかい質感が。他の材料では出せないんです。だか
ら欲しい人は減っても、決して無くならないんですよね。一般に販売されている製品で木材を長持ちさせ
るのでしたら、木材に浸透して腐敗を防ぐことができる製品がおすすめです。
オイルが浸透し、オイルが表面で硬化するのがオイルフィニッシュです。木材のある程度の保護を目的と
して使用されてきました。オイルフィニッシュの中で最近ご要望が多いのが、植物油と植物系ワックスで
出来た自然塗料です。シンナーやアルコールのようなきつい臭いもせずに、高い撥水性、耐候性、耐紫外
線効果、木部に防かび、防腐、防藻性能を与えることができます。
オイルステインの目的は木材への「着色」です。分類としてはいわゆるペンキです。着色されたオイルが
木材へ浸透して着色されます。オイルステインには保護能力は無いので表面は別途ニスで保護しなければ
いけません。
オイルフィニッシュと同様に木材に成分を浸透させて木材を保護するのが「キシラデコール」でおなじみ
の木材保護塗料です。合成樹脂なので屋内よりは屋外への保護塗装に向いています。屋内など直接触れる
ことが多い場所であれば、水性タイプもしくは前述したオイルフィニッシュが向いています。
各々の違いを簡単に言えば「浸透+弱保護」がオイルフィニッシュで「浸透+強保護」が木材保護塗料。
「着色」のみなのがステインです。ちなみにいちばん上の写真で塗っているのはオイルステインですが、
表面で樹脂と顔料が硬化するのでオイルフィニッシュ的な性能も持ち合わせています。色かぶりが良い
ので木目こそ消えてしまっていますが、耐紫外線の能力が強いです。また膜をつくらないので「塗料の
剥がれ」といった現象も起きません。外装木材への保護を考えたときにはよい製品です。
最後にひとつ。家具の量販店(I○○A)で手に入る無垢材の家具は、オイルフィニッシュで色を変える
ことが出来ます。木製品はお手入れこそ必要ですが、手軽に塗れますし失敗も少ないです。年末の大掃除
のついでに、思い切って挑戦してみてはいかがですか?