ウチの子は小学生なのですが、この春からまた学年が変わります。「今どんだけウキウキし
てんだ?」とか思っていたのですが、何故か怪訝な顔をしていることが多かったんです。「
何かあったの?」と聞いてみると、春から一緒に学校に行く友達を変えるとの事。理由を話
してくれました。それは、まだ小学生だというのに本当にそんなことがあるのか!?と思っ
てしまう衝撃の事実だったのです。
うちの子とその子は(仮にAとでもしておきます)はた目から見れば仲良しに見えるのです
が、どうも本人からしてみると違和感がありありなのだそうです。自分が他の友達と話して
いると割り込んできて自分の話を始める。また、Aが他の友達と話しているときに自分が声
を掛けると「無視」する。Aが遊ぼう?と誘うときには、ウチの子が習い事があると言って
も「いいでしょう~?」と猫なで声で自分勝手にたたみ掛けて習い事をサボらそうとする。
ハッキリと断れない(ある意味ウチの子の「やさしさ」とも言えるのですが)ウチの子は、
ホトホト困り果ててしまっていたのです。話しは少しズレますが、「フレネミー」という言
葉はご存じでしょうか。FRIEND(フレンド:友達)とENEMY(エネミー:敵)を
合わせた言葉で、文字通り「友達を装った敵」という意味の造語です。僕は昔の経験から「
Aはまさにソレなんじゃないか?」と思ったのです。
僕の学生時代の友人のなかにフレネミーがいました。彼の発することば自体は「よくある友
人同士のありふれた会話」そのものでしたが、結局いつもボクを非難していました。そして
2人きりになったときには、僕が落ち込んでいるのを確認するかのように僕自身に非難の同
意を求め、悲観的な言葉を僕自身に吐かせて「言葉をすり込む」のです。
「自分が満足するためには他人を蹴落とすことが一番」が常のこの男は、僕の人生にとって
本当に迷惑な存在でした。いまでは彼とは疎遠になっているので、本当に良かったと思って
います。
フレネミーというのは本人の自覚も無く、年齢を重ねるごとにエスカレートしていくらしい
です。だからAからは一刻も早く逃げ出して欲しい、というのが親の気持ちなのですが、ウ
チの子は「意地悪するから」「あなたがキライだから」といった攻撃的な言葉は「かわいそ
うだから」使いたくないのだそうです。
自分にさんざん意地悪をしてきた「敵」にまで「優しさ」を与えるウチの子を見て「○ペル
くん」が出てくるある本の一節を思い出しました。その○ペルくんの友人は、自分をいじめ
ていた子が皆から追求されて袋だたきに合っているのを必死に止めていました。
ウチの子にも垣間見えるその信念は、我が妻から言わせればウチの子の「強さ」なのだそう
です。これからも僕は後ろからウチの子を応援していきますが、なるべく早くAからフェー
ドアウトしてくれる事を祈るばかりです。