つい先日、新築から10年ほどのお宅さまに見積書を提出させて頂いたときのこと。「塗料
の指定は出来ますか?」とのご質問を頂きました。どうやら別の業者からも見積もりを入手
されていて、そこでの仕様が気になったご様子。
その下地処理材(微弾性フィラー)は、弊社採用品と同じメーカーの製品でしたが、以前塗
料販売店からは「高級品」と聞いていた製品で「通常のフィラーより粒子が細かく厚塗りも
出来るので、ひび割れが多かったりして状態が悪い外壁なんかに使うとよいですよ」との説
明を受けていたものです。ですので弊社では「特に状態の悪い外壁」や「極度に傷んでいる
ところの部分補修」に使っていました。
弊社が採用している微弾性フィラーは採用してから10年以上なんの問題も報告されたこと
が無い「定番商品」だったので、それがいつの間にか「旧商品」のように扱われていたのに
は驚きを隠せません。
まぁ塗料メーカーの立場からすれば、各メーカーとの価格競争になってしまっている「定番
」よりも値段を高く設定できる「新商品」を売り込みたい気持ちは分かるのですがね。ちょ
っと理不尽さを感じました。
塗装業者も塗料メーカー等と同じく「お客さまに対して責任をもつ」ということは変わらな
いはずです。それが素知らぬ顔で双方の塗料を業者に販売してしまっていたら、問題なく採
用していた業者は「技術力が無い」という「訳の分からない烙印」を知らぬうちに押されて
しまっているも同然です。
新商品を「新定番」と推していきたいのであれば、いままでの定番商品を使っている塗装業
者にまで説明を徹底させて欲しいところです。そうして初めて、業者で判断が可能になりま
す。
疑問に思った事は、少しのことでも遠慮無く聞いて頂きたく思います。塗装業者も「敢えて
」旧商品と呼ばれてしまっているものを採用していることがあります。「旧商品」だからと
いって「悪い製品とは限らない」ということは、往々にして「有る」のです。