何だか最近、急に暑くなってきました。横須賀市は都心より必ず1℃は低いはずなのですが
それでも最高気温は28℃程。少し早いですけどこれは初夏ですね初夏。我が家においては
衣替えもまだでして、作業していると汗だくです。早く薄手の作業着が欲しいです(^^;
最近施工させて頂いた現場です。この症状の根本は、やっぱり構造による不良ですね。
サイディング外壁の「剥がれ」が見て取れます。年月を経ることでコーキングに亀裂が出来
ここから水が入り込んでいたようです。そうしている内に外壁のセメント質が流れ出して崩
れた。というのが直接の原因でしょう。
ここは外壁の採光を優先するために、屋根が「切妻(きりづま)」の形をしています。その
ため外壁には雨が当たりやすく、外壁では雨仕舞いの構造をしっかりと造る必要があります。
「しっかりした雨仕舞い」とは、雨をあまり壁に当て続けないようにする仕組みです。凹凸
が無い真っ平らな壁では、雨は上から下までずっと流れ続けてしまいます。そうすると壁は
汚れやすくなったり、傷みやすくなったりします。
最大の問題は、「壁の漏水防止が水平方向のコーキングのみである」ことです。
写真を見て頂くと判りやすいのですが、外壁の水平方向の継ぎ目には「水切(みずきり)」
と呼ばれる金属板が必要です。水切があれば壁をつたう雨水も壁から離れ、壁材のダメージ
を最小限に抑える事が出来ます。
窯業サイディングはたいへん水に弱い建材なので(詳しくは以前のブログをご参照下さい)
水切は必須の構造といえます。庇や水切のない外壁は外国風のたたずまいで格好良く見えた
りしますが、あちらの風土や気候に必要が無いから存在しないというだけです。
自国の文化の継続は大事だと思います。我が国は明治以降、生活様式が大きく変化してしま
いましたが、自然環境は変わっていません。すべての建設業の皆さまには、先人の知恵に大
いに学んで頂きたく思います。