最初に申し上げておきますと「屋根がズレてますよ。浮いてますよ。」的な詐欺まがいのハ
ナシではありません(笑)いつも作業現場の屋根に上がるとご近所の屋根が一望できます。
何気なく見回してると、いつも「弊社の思いも、まだまだ伝わってないなぁ」と思います。
何気なく、コロニアル(カラーベスト)屋根がカビだらけのお宅様を探してしまいます。見
回したご近所の屋根のうちの2,3割くらいでしょうか。もう屋根がカビ「そのもの」の色
をしています。近くで見ているわけではないのですが、屋根材の風化が進んでいるように見
受けられました。
コロニアル屋根の実際の名称は「化粧スレート」といいます。工場などの灰色のナミナミ模
様の屋根を「波形スレート」といいますが、塗装で素材への浸透を防いで耐候性を強化させ
た商品が化粧スレートです。化粧スレートは波形スレートより繊維質が多く丈夫に作られて
いますが、もともと水が浸透し続けるとグズグズと壊れてしまうタイプの材料です。
屋根の塗装が生きている頃でしたら大体の汚れは雨で流れてしまいます。ですが年月を経た
塗膜は徐々にツヤが消えて汚れが付きやすくなり、水分を含みやすくなります。風で飛んで
くる木の花粉やホコリ、風化した塗料、塩分はカビや藻にとっては格好の栄養源です。あた
かも屋根は「牧草地」のような状態になってしまうのです。
また屋根の置かれた環境は過酷です。夏であればその表面の温度は60~70℃になり、冬
は外気温と同程度にまで下がります。カビに浸食されていった屋根は水分や空気の流通が生
まれるので、いつしか強度は落ちて屋根材に「反り」や「割れ」を引き起こします。コロニ
アル屋根材は比較的軽いとはいえ、そんなモノがもし大切な人の頭上に落ちてきたらと思う
とゾッとします。
屋根をキレイに保つのは、上に挙げたような美観の悪化・自壊の不安への払拭。そしてカビ
による健康被害も忘れてはいけません。カビの胞子はいたるところに浮遊しているので、私
たちは常にカビを吸い込んで生活しているといっても過言ではありません。屋根のカビは、
放っておけば大量に発生します。アレルギー疾患の引き金にもなるので、カビは身近になる
べく置かない方が良いでしょう。
つらつらと書いてしまいました。屋根は見えづらいところにあるので、つい自分の生活とは
切り離して考えてしまいがちです。ですが地面から屋根までの高さは5m弱。たいした距離
じゃありません。ぜひ身近に感じていただき、適切なメンテナンスを実施していくことで皆
さまも健やかな生活を満喫していただければと思います。