山本塗装にはご年配のお客さまも多いんですが、その折には「家を建てたころの思い出」を、それはもう
たくさんお話し下さいます。此所に建てたころの近所の景色(僕らがこれを建てたころってのは、まだこ
んなに家は無くってね-)とか、家を建てる為にはこんな苦労を(まだ若いとき、いっぱい色々探したん
だけど、景色が気に入ってけっきょく横須賀に決めたんだよ)したんだetc。
我が家というのはお客さまにとって「一生一度の大きな買い物」「甲斐性の集大成」「夢の結晶」なので
しょうね。それはもうキラキラと眼を輝かせてお話し下さいます。ですがそんな時に同時に出てくる「あ
る言葉」が気になっています。例えばこんな感じ。
「もう10年は生きていないだろうし、丁寧にお願いしますね。最後だから。」
なんでしょう。言葉には出来ないのですが、なにか言いたくてモヤモヤします。またその反対に「最後を
迎えるその時までちゃんと生活して、きれいな家で最後を迎えたい。」「死んだ後に、みっともない家を
人に晒したくない」「だから家は最後まで、キチンと手入れするんだ」とおっしゃる方がいました。こっ
ちの意見を聞いて初めて、やっと言いたかったモヤモヤの正体が判りました。
普段からそんな言葉で自身をとがめてると、本当に元気を無くしてしまうかも知れませんよ!と、僕はコ
レを言いたかったのですね。ところで話しは少し外れますが、言霊(ことだま)という言葉があります。
言霊っていうのは、声に出した言葉が霊的な力となって、現実のことがらに影響を与えるって事らしいで
すが、まぁ霊的うんぬんはさておいて「言葉に出す」というのは記憶に非常に残りやすいらしいんです。
「最後だから」「10年は生きてないから」こんな言葉も知らず知らずのうちに頭の中に積み重なって、
元気をそぎ落としてしまっているのかもしれないです。僕もおかしな独り言でマイナスな言葉を吐くこと
もありますが、言葉ってホントに大事だと思います。自分をマイナスに持っていくような言動には、本当
に気をつけたいものですね。