先日10月27(金)~11月5日(日)まで東京ビックサイトで開催されていた「東京モーターショー
2017」においても、ツヤ消し塗装を施されていたコンセプトカーが多数展示されていました。例えば
白いマットな塗装は、金属的な堅いクルマのイメージをふわっと柔らかい質感に感じさせる効果があった
り、黒のマット塗装はスポーティな力強さとボディの流麗な美しさを際立たせる効果が得られたようです
。ただツヤ消し塗装自体はそう新しい技術では無いにもかかわらず、一部の外車以外の市販車には採用さ
れていません。
コレについては、そもそも「つや消し塗装はなぜツヤが無いか」と言うところからご説明しなければいけ
ません。「ツヤが無い」というのは、塗装面から反射した光が目に届かないという事です。つや消し塗装
の場合は表面に塗料で細かな凹凸が付けられています。凹凸面に当たった光は拡散してアチコチに飛んで
いきます。だから一方向に反射する光が極端に少なくなり、目に光が(ツヤが)見えないわけですね。
つや消しの状態を保つには表面に細かで均等な凹凸が必要なのですが、この凹凸がまたクセモノです。表
面にホコリや油分が付きやすいので、普通のツヤ有り塗装なら弾いてしまうようなホコリや汚れも塗装面
に入り込んでしまいます。洗浄するにも洗車機では凹凸を慣らしてしまうため×です。ワックス等の保護
材も表面のムラになるので使えません。洗車するにはマイクロファイバー製の布を使って水で洗うしかな
いとのことです。
住宅の外壁塗装でも、つや消し仕上げの塗装を選ばれるお客さまは段々増えてきています。住宅の塗装は
車輌へのそれよりも置かれた環境は穏和なのでしょうが、汚れが付きやすく落ちにくい。また汚れた時の
補修がムラになりやすい、といった傾向がある事は否めません。ですが、建築用の塗料では汚れが水にな
じんで落ちやすくなるようにした「親水性」機能を持った塗料があります。つや消し塗装での上記のよう
なリスクを減らすことが可能となった画期的な塗料で、山本塗装でも大変好評を頂いています。
最後に住宅塗装面へのお手入れ方法について少しだけ。つや消し塗装に限った事ではありませんが、塗装
されている外壁には定期的に水を掛けてあげて下さい。親水性の塗料も水なしでは汚れを落とすことが出
来ません。家庭用(ケ○ヒャー等)の高圧洗浄機があれば完璧ですが、普通にホースでバシャバシャ掛け
てもらっても十分キレイになります。ちょうど大掃除のシーズンですし、オススメです。
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