11月もいよいよ後半戦。横須賀の酉の市(とりのいち)も残すは三の酉(今年は25日)
を残すのみとなり、子供も大人達も何だかワクワクとソワソワが入り交じっております。
先日お引き合いのあったお客様からのご質問で、このような事がありました。
「出来れば春か秋にお願いしたいんだけど。」「冬ってペンキ薄くなるんでしょ?」
う~ん。昔のペンキではありましたね、確かに。ただ、今は大丈夫になったんです。
昔のペンキの硬化は難しい言い方をすると「酸化重合型」と呼ばれるものです。塗りつける
と空気と反応して固まる塗料です。空気に触れたところが硬化するので、塗る場所によって
は内部で充分に反応しきれずに硬化不良を起こすことが時々ありました。
また、溶剤の量で塗りやすさが大分変わるのも特徴です。夏場は5%程度の希釈で済みます
が、冬では15%にまで増やす必要がありました。これが「冬は塗料が薄い」と云われる由
縁だと思われます。山本塗装では仕上げるとき、4回くらい塗ってた記憶がありますね。
今現在使われている外装用の塗料では、主材(A液)と硬化剤(B液)の2つを混ぜて使用
する「2液型」が主流です。乾燥すると、溶剤によって分かれていた粒子が凝集・触着して
塗膜を形成するタイプで、硬化のタイプとしては「融合乾燥型」となります。
2液型の良いところは「塗膜の丈夫さ」です。化学反応で硬化する2液型塗料は、内部まで
均一に硬化します。表面だけで固まるペンキとでは、結合の「レベル」が違うのです。また
季節の寒暖によって伸び縮みする外壁などの幅広い素材に塗ることが可能になりました。
そしてこれは僕の経験によるものですが、2液型塗料の希釈率は一年を通して変わりません
。真夏から真冬まで希釈はほぼ10%。乾燥時間こそ多少変わってはきますが、季節を問わ
ず一定の品質で塗装することが出来るのが2液型塗料だと思います。
ちょっと難しい話になってしまいました。ですが冒頭で述べたとおり、塗料が良くなったの
で年間どの季節でも同じように塗装できますよ。というのが今現在の定説かなと思います。