梅雨も本格的に始まりまってジメジメの日々が続いています。弊社では工程を前に進めるた
め、工事が進められない雨の日はしっかり休み、お天気なら日曜日の定休も返上して仕事に
取り組んでいます。こればかりは「仕事柄」になってしまうので、いくら「働き方改革」で
も改革されるには時間が掛かるかも知れませんね。
先週のブログの続きのようになってしまう話しですが、雨が降るということは単純に工事を
ストップさせてしまうばかりでは無く、後退させてしまう場合があります。まあ結論からお
話しすれば、資材が現場のニーズに対して遅れてるって事なのですけれども。
塗装工事では序盤に行う下地調整(擦って被塗物に”足”をつける作業)が終わると「養生作
業」に移ります。アルミサッシなどの塗ってはいけない部分に、布製のシートや「マスカー
」と呼ばれる「テープ付きの透明のビニール」などを使って被塗物を覆い被せる作業です。
この「マスカー」で使われるビニールには、可塑剤(かそざい)と呼ばれる油が混ざってい
ます。薄くて軽い素材を、低い気温でも簡単に破れてしまわないようにするためです。です
が、この可塑剤こそが「ビニール」であるが故の悪さをする「クセモノ」なんです。
たとえば子どもの頃、消しゴムをふで箱に放っておいたらくっついて取れなくなった。こん
な経験はありませんか?これと同じことがマスカーでも起こるのです。可塑剤が多量に含ま
れたビニールが他のプラスチックやサッシ等と接触していると、やがて「素材同士が融合」
してしまいます。
ですが、塗装工事程度の期間では通常そこまでの事は起こりません。ですがビニール内に雨
水が入りこむと、事態は一変します。水の熱伝導率は空気の約25倍ですが、その高い熱伝
導率で温められた素材同士は簡単にくっついてしまいます。つまり「雨どい」や「アルミサ
ッシ」にビニールが癒着してしまうんです。
癒着した可塑剤を落とす作業には(万が一ですが)表面のツヤを変化させてしまうリスクが
有ります。ですので山本塗装では「癒着するまえに」つまり雨天の次の日の朝には作業途中
でも濡れた場所のビニールを取ってしまいます。そして乾いてから改めてビニール養生を施
します。
梅雨時の雨上がりには気温が上がります。迅速に対応すれば、お客さまの大切な我が家にダ
メージを負わせてしまう事態は避けられます。以上、弊社の気配りの話しになってしまいま
したが(笑)ホームセンターでも普通に売ってるマスカーなので、DIYにも重宝されてい
る方も多いかと思いましてこの話しをさせて頂きました。
こんなことにならないようにご注意いただけたら幸いです。